手首をひねると痛い?ひねった時の対処法を解説!
なにかの拍子に思わず手をついたことが原因で、痛みが手首に走ったという経験、ありませんか?
やはり、急に手首に痛みがはしると、「手首をひねったかも?」と思って誰もが慌ててしまうものです、
とはいえ、骨折などのけがと比べると、頻繁に起こるようなイメージがある手首のひねり。
実際に手首をひねると、どんな状態になって、痛みが起こるといわれているのでしょう?
そこで今回は、「手首をひねった時」に注目し、なにが原因で起こり、もしもひねった時にはどのような対処をすればよいのかについて解説していきます。
では、早速見ていきましょう。
今回の流れ
その手首の痛みは何が原因?
がまんできないほどの痛みではないものの、手首に痛みがあるという場合、安易に「ひねったかも」と判断するのは危険かもしれません。
実は、手首の痛みをもたらすケガには、ひねる以外にも様々なことが考えられるのです。
腱鞘炎
手首や指を曲げ伸ばすためには、骨に固定されている「腱鞘」と筋肉と骨をつなぐ「腱」の働きが必要になります。
ところが、手首を酷使すると、腱鞘と腱の間に摩擦が次々と起こり、これによって炎症を引き起こします。
これが、腱鞘炎です。
手首に起きる腱鞘炎には、いくつかの種類があります。こ
こでは、代表的な手首の腱鞘炎について紹介しておきます。
マウス腱鞘炎
パソコンやスマホを常に操作するという人に多く見られる腱鞘炎が、「マウス腱鞘炎」です。
マウス腱鞘炎は、マウス症候群と呼ばれることもありますが、症状には主に2種類があると考えられています。
≪マウス腱鞘炎の症状①≫
・手首に強い痛みを感じます。
・親指の付け根に痛みを感じます。
・手や腕にしびれを感じます。
・握力の低下が起こります。
≪マウス腱鞘炎の症状②≫
長時間、マウスを操作する側の手首を酷使するため、体全体のゆがみが生じやすくなります。
そのことが原因で、次のような症状を引き起こします。
・頭痛、腰痛に悩まされます。
・肩こりがひどくなります。
・耳鳴りが気になります。
・目の疲れを感じます。
・体全体のむくみが起こります。
≪マウス腱鞘炎の対処法≫
マウス腱鞘炎の対処法には、「正しい姿勢」「正しいマウスの使い方」「適度な力の加え方」の3つがポイントになります。
「正しい姿勢」を保つことによって、体全体のゆがみを防止し、マウス腱鞘炎の特徴的な症状を解消します。
また、マウスを使用する際には、マウスをつかむ手や手首の一部分に過剰な力が加わらないように意識します。
指全体に力が分散されるように柔らかくマウスをつかみ、クリックやマウスを移動する際も、過剰に力を加えないように心がけます。
TFCC損傷
TFCC損傷は、医学的には「三角繊維軟骨複合体損傷」といいます。
このケガの場合、手首の痛みが強く現れるということが特徴的なのですが、
・フライパンを持つと手首が痛む
・ドアノブを回すのが辛い
という症状も起こります。
捻挫と区別がつきにくいのですが、多くの場合、日常生活に支障が出るレベルの痛みを感じたことが原因で、専門病院を受診するようです。
TFCC損傷の場合、急性と慢性の2つがあります。
≪TFCC損傷の原因≫
慢性の場合、手首をそらせた状態で力を入れる動作を、繰り返し行うことによって起きるといわれています。
そのため、家事で日常的にフライパンを持つ主婦、手で持つ道具を使用するスポーツの愛好家などに多く見られます。
急性の場合は、手首の小指側に急激な力が加わることが原因と考えられます。
≪TFCC損傷の対処法≫
痛みを感じたら、まずは患部をしっかりと冷やすということが必要になります。
その上で、早めに専門機関で検査を受けるようにしてください。
手首以外の関節にも損傷が現れている可能性もあるため、詳しい診断にはレントゲンまたはMRI検査が必要になる場合もあります。
手首をひねったときには…
手首をひねったということは、何らかの力が手首に加わったことによって、手首の捻挫を発症していると考えられます。
そこで、ここからは、手首の捻挫について詳しく解説していきましょう。
「手首がひねった」という状態は、どうして起こるの?
手首の捻挫は、正常な関節の可動域を超えた動作を手首が行ったことにより、手首の関節周辺に無理な力が加わることが原因で起こります。
手首をひねったらまずやる対処法
手首をひねった直後に痛みを感じたら、まずは、痛みを感じる部分をすぐに冷やす必要があります。
冷やす目安としては、20分程度と考えてください。
■もしも冷やしても痛みが治まらない、痛みが強くなるという時は…
痛みを発した直後から20分程度患部を冷やしたにもかかわらず、痛みがどんどん強くなる場合は、それは手首をひねったのではなく「骨折」しているかもしれません。
その場合はむやみに動かさず、早めに病院を受診してください。
■病院に向かう時の注意点
患部を冷やしても痛みが続く場合は、まずは病院を受診してください。
その場合、痛みのある手首は、心臓部分よりも上に保つようにしてください。
これは、患部に血液を行かないようにさせることによって、内出血を防ぐという効果があります。
■こんな症状の場合も受診が必要です
痛みが強くなるケース以外にも、次のような症状が見られた場合は、専門医の診断を受けるようにしてください。
痛めた部分が腫れてきた
この場合は骨折の可能性も考えられます。
レントゲン検査が受けられる病院を受診することをおすすめします。
・痛めた部分に熱を感じる
この場合は無理な力が加わったことによって、手首に炎症が起きていることが考えられます。
捻挫には冷やすことで効果があるのですが、もしかしたら冷却の方法に問題がありませんか?
基本的には、直接患部に氷を当てるような処置は、凍傷を引き起こす原因になります。
冷えすぎると感じる場合は、タオルで巻くなどの処置をしましょう。
手首をひねらないためにやっておきたい予防法
手首の捻挫を予防するには、捻挫の原因となるような動作を起こさないということが大切です。
ですから、無理な方向に手首をひねるという動作は、極力避けましょう。
ほかにも、手首の可動域を広げるという方法で予防することが出来ます。
●運動前のストレッチ
運動をする場合は、手首のストレッチも含め、全身の関節や筋肉を十分にストレッチしてから始めるようにしましょう。
●入浴後のストレッチ
完治後の予防週間としても、効果があります。
特に入浴後は、関節が動かしやすく、筋肉も柔らかくなっていますので、ストレッチ効果が十分に期待できます。
ただし、捻挫が完治するまでは、たとえストレッチであっても厳禁です。
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手首をひねる動作をする度に痛むときは…
手首をねんざしたわけでもないのに、ひねる動作をするたびに痛みを感じるというケースもあります。
この場合は、なにが原因で痛みが発しているというのでしょうか?
ドアノブを回すだけで手首が痛い場合は?
ドアノブを回したり、スマートホンを片手で操作するだけで、手首や親指の痛みを感じる場合には、「ドケルバン病」が原因である可能性がります。
ちなみに、ドケルバン病は、医学的には「狭窄性腱鞘炎」といいます。
●ドケルバン病の症状の特徴
手首の親指側にある腱鞘と腱が炎症を起こしているため、炎症を起こした部分が動かしにくくなるのが特徴です。
また、手首の親指側に強い痛みを感じたり、腫れが生じます。
●ドケルバン病の原因とは?
主に、手の使い過ぎによっておこるのが特徴です。
また、傾向としては女性の方が発症しやすく、特に、妊娠出産期や更年期の女性に多く見られます。
●ドケルバン病の対処法は?
まずは、痛みを感じる部位を安静に保つということが必要になります。
痛みが強い場合には鎮痛剤が投与されることもありますし、炎症を抑えるために腱鞘内ステロイド注射を治療で用いる場合もあります。
症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は、腱鞘切開手術を行うこともあります。
普段から手首をよく使う人が手首の痛みを感じる場合には?
一日中パソコンのキーボードやマウスを操作するなど、日常的に手首を酷使している人であれば、「キーンベック病」が原因である可能性があります。
ちなみにキーンベック病は、医学的には「月状骨無腐性壊死」または「月状骨軟化症」とも言います。
●月状骨ってなに?
月状骨とは、手の関節を構成する骨の一つです。
手首の骨と指の骨のおよそ接続部分に位置しています。
●キーンベック病の原因とは?
キーンベック病は、月状骨が、何らかの影響によって血行が絶たれてしまい、壊死することによっておこる病気といわれています。
このような状態を引き起こす原因は解明されていないのですが、手を酷使する仕事に従事する男性に多く見られる傾向があります。
●キーンベック病の症状の特徴は?
キーンベック病の場合、初期症状としては、手首に感じる痛みや腫れ、握力の低下などがあります。
症状が進行すると、月状骨の破壊も進行するため、手首の関節に変形が起こる場合があります。
また、日常生活に支障が出るほどの痛みを発するようになります。
●キーンベック病の対処法とは?
症状が軽い場合は、手首の運動を制御したり、手首を保護するためのサポーターを勧められます。
症状が進行すると、手術によって前腕の骨の長さのバランスを変える治療を行う場合もあります。
まとめ
手首に我慢できないほどではないけど痛みを感じたという場合は、どの場合であっても、まずは応急処置として「冷やす」ということが大切になります。
冷やしたにもかかわらず痛みが増す場合や、痛みを感じる部分がどんどん腫れてくるという症状が現れた場合は、単なる手首のひねりではない可能性もあります。
ただの手首のひねりなのか、それとも、治療を要する状態であるのかを判断するためにも、まずは痛みを感じてすぐに行う応急処置が大切になります。