背中の骨に出っ張りがある原因と対処法は?痛いときはどうする?

背中の異常というと、体の裏側にあるため、普段ではなかなか目で確認しづらいものです。

ですから、痛みや出っ張りのような異物の存在に気が付くことで初めて、背中の異常を発見するということもよくあることです。

背中というと、特に目立ったでっぱりもなく、なだらかな表面をしているというイメージがありますが、場合によっては、骨にでっぱりが現れることがあります。

あまり耳にすることがないこのような症状の場合、原因がわからないうちは不安が募ることも多いものです。

そこで今回は、背中の骨のでっぱりが出来る原因や対処法などについて解説していきます。

では、早速見ていきましょう。

スポンサーリンク

背中の骨は出っ張りができるものなの?

もしも背中の骨が出っ張っていたとしても、その様子を毎日細かくチェックするのは相当困難です。

でも、正常な背骨の状態をきちんと理解していれば、目だけでなく触ることで背骨の異常に気が付くことが出来ます。

 

まずは背骨について知ってみよう

背中の骨は、次のような役割や構造、動きがあります。

●背中の骨の構造

背骨は、椎骨(こいこつ)と椎間板(こうかんばん)が交互に積み重なる構造をしています。

神経は恥骨(ちこつ)の内部にあり、椎間板との距離も非常に近いです。

背骨といっても、大きく分けると「頚椎」「胸椎」「腰椎」「仙骨」「尾骨」の5つあり、これがつながってS字を描くようにカーブしています。

 

●背中の骨の働き

日常生活で繰り返す様々な行動の中には、「立つ」「座る」「しゃがむ」「曲げる」「ひねる」など様々な動作があります。

これらの動作は、身体に各々衝撃があります。

これらの衝撃が直接脳に達してしまうと、脳は相当なダメージを受けてしまいます。

そのため、背骨には、カーブを描くことによって脳へ伝わる衝撃を吸収し、脳のダメージを防ぐ働きがあります。

 

●背骨は歪みやすい骨

身体の中心を支える大切な骨は、日常生活を営む上で、様々な動作をサポートしています。

ですが、それゆえに、何気ない毎日の生活習慣が背骨に負担をかけ続けています。

例えば、

・足を組む

・いつも決まった側の腕でカバンを持つ

・猫背である

などは、個々の負担は微々たるものですが、習慣性があるだけに背骨を支える筋肉への疲労は蓄積していきます。

疲労がたまった筋肉は、血行が悪くなって固くなります。

すると、筋肉に覆われている背骨は、固くなった筋肉の力に押さえつけられますから、これによってゆがみが生じます。

 

背骨が歪むとどうなるの?

筋肉の力によって押し付けられ歪んでしまった背骨は、全身にあらゆる不快な症状を引き起こします。

●痛み

腰痛、頭痛、ひざ痛、生理痛など、様々な部位で痛みを発症します。

 

●見た目の変化

猫背、О脚、顔のたるみ、足のむくみなど、見た目の変化も現れます。

 

●日常生活に支障が出る

慢性的な疲労感が出たり、集中力がないと感じることも増えます。

また、寝つきや寝起きの悪さを感じたり、睡眠不足になることがあります。

 

●他にもある

身体の冷え、便秘なども起きやすくなります。

 

背中の骨の出っ張りが気になる!

正しい背骨は、背中側から見るとまっすぐで、横から観察すると、緩いS字を描いたようなカーブがあります。

ですが、基本的には骨に目立ったでっぱりは存在しません。

ですから、背中の骨の出っ張りが見つかったのだとすれば、何らかの原因によってでっぱりが出来たものと考えられます。

 

背中の骨の出っ張りの原因

その背中のでっぱりの原因は、「側弯症」(そくわんしょう)の可能性があります。

側弯症の場合、発症しやすい年代の傾向もありますが、中でも多い傾向にあるのが10歳前後の女児といわれています。

●側弯症(そくわんしょう)とは

正常の場合でも、背骨は約10度の角度で曲がっています。

ところが、様々な原因によって背骨が側方へ曲がったり、ねじれが起きることがあります。

この症状を引き起こすのが、側弯症です。

側弯症の原因は、解明されている種類と、解明されていない種類があります。

解明されている種類は「機能性側弯」と呼ばれ、症状としても一時的なものであると考えられています。

これは、姿勢の悪さや坐骨神経痛によるものが考えられます。

 

●多くの症状の原因が解明されていない側弯症

幼いころに「姿勢が悪いと背中が曲がる」といわれ、ひどく叱られた記憶があるという人も多いはずです。

たしかに、発達途中で日々骨が成長し続けている幼少期は、ゆがみが起こりやすいものです。

でも、子どもに見られる背骨のゆがみは、発症年齢によって実は分けられています。

 

■3歳未満の乳児の場合

0~3歳で発症する側弯症は、「乳児期側弯症」といいます。

■4~10歳までの子どもの場合

4~10歳までの子どもが発症する側弯症は、「学童期側弯症」といいます。

■10歳以降で発症する場合

この場合は、「思春期側弯症」といいます。乳児期側弯症・学童期側弯症・思春期側弯症は、「特発性側弯症」とも言われています。

この3つのうちで発症率が高いのが「思春期側弯症」で、しかも、小学校高学年から中学卒業までに発症するというのが最も多いといわれています。

 

●病気が原因で側弯症が起きる場合

側弯症の原因には、他にも次のような病気などが原因である可能性が考えられます。

・神経系の病気

・筋肉に関する病気

・ケガや事故による外傷

・深刻な腫瘍

 

●側弯症を放置するとどうなる?

自覚症状がほとんどなく、また、初期段階では背骨の変化に気が付きにくいというのが側弯症の特徴です。

しかし、そのまま放置すると、さらに症状が悪化する可能性があります。

重症化すると、外見の変化が認められるほどの変形を起こす場合もあります。

ですから、早期発見・早期治療が必要です。

 

●側弯症の対策は?

現在のところ、原因が解明されていないものがほとんどですから、自然に側弯症が治るのを待つということはほとんどできません。

ですが、早期に治療を始めることで、進行を食い止めたり、進行を遅らせることは出来ます。

基本的には体や骨の成長が止まることによって、側弯の進行も止まります。(特殊な例は除く)

スポンサーリンク

 

背中の骨の出っ張りが痛いときは?

背中の骨のでっぱりに痛みがあるという場合は、先に説明した側弯症ではない可能性があります。

 

背中の骨のでっぱりが痛いときの原因

背中の骨のでっぱりが痛いときに考えられるのは、「棘突起(きょくとっき)の異常」の可能性です。

●棘突起とは

背骨には、頚椎と椎間板が連続してつながっています。

この2つを支える中心部分には、突起した骨があります。

これが、「棘突起」です。棘突起は、加齢とともに「骨棘」といわれる棘のようなものが発生することがあります。

棘突起は、神経にも非常に近いため、背骨に負荷がかかり続けることによって、棘の部分が神経を刺激し、痛みを引き起こすことがあります。

 

●ストレスが溜まりやすい人なら「脊髄過敏症」かも…

背中の骨のでっぱりに痛みを感じる人で、しかも普段からストレスが溜まりやすいという自覚があるのであれば、「脊髄過敏症」の可能性もあります。

脊髄過敏症の多くは、精神的なストレスが原因であることが多いため、精神的な負担となっていることを解消することが痛みの改善につながることもあります。

脊髄過敏症の場合は、状態によっては、心療内科の治療を痛みの治療と並行することも検討した方が良いかもしれません。

 

病気が原因で背中の骨のでっぱりを触った時に痛みが起きる場合

背中の骨のでっぱりを触ると痛みを感じる場合、棘突起以外の病気が原因である可能性も否定できません。

●骨髄腫

骨髄腫は、血液細胞のがんのため、全身の骨に多発するのが特徴です。発症の傾向としては、40歳以降の男性に多く見られます。

■主な症状や対処法

痛みが徐々に増していくというのが、症状の特徴にあります。

の痛みは、加齢による腰痛や頸部痛の痛みとよく似ているため、専門医であっても判断が難しい場合もあります。

ですが、放置すれば重篤な症状を引き起こす可能性もありますので、早めに専門機関を受診することをおすすめします。

 

●強直性脊髄炎

強直性脊髄炎は、背骨に慢性的な痛みと背骨の可動域が狭くなるという症状が特徴的な病気で、慢性的に進行するリウマチ性の疾患といわれています。

現在のところ、明確な病気の原因はわかっていませんが、原因の一つに「遺伝」も含まれると考えられています。

■主な対処法

現代の医学では、この病気の根本的な治療はありません。

そのため、痛みを抑える治療を行いながら、痛みが現れた部分を積極的に動かすことで痛みの程度を軽くすることが効果的な対処法とされています。

これらの治療には、「薬による治療」や「運動療法」などがよいといわれています。

 

まとめ

背中の骨の出っ張りの原因は、様々なことが要因として挙げられていますが、明確な原因が分かっていないという場合も多いのが特徴にあります。

ですが、背中の骨は全身の骨格を支えているだけに、この部分に異常が現れると、日常動作にも支障が出てきてしまいます。

症状の完治は見込めないものであっても、早期に病気を発見し適切な治療を進めていけば、症状の進行を食い止めたり遅らせる効果はあります。

ですから、大変なことになる前に専門家の診断を受けるということが、何よりも大切だといえるでしょう。

スポンサーリンク

 

サブコンテンツ

このページの先頭へ