腰のしこりを押すと痛い?痛くない場合についても解説!
しこりというと、様々な部位にできるイメージがありますが、できているのを発見した瞬間は、やはりあまり気持ちが良いものではありません。
部位によってはがんが発生しやすい部位ということもありますし、しこりそのものががんである可能性もあるだけに、原因がわからないと不安に思います。
でも、あまり聞きなれない「腰にできるしこり」の場合、どうすればいいのでしょう?
腰にしこりが出来る原因といわれても、あまり想像できないという人の方が多いはずです。
それだけに、もしもあなたの腰にしこりが出来たとしたら、相当な不安を感じているはずです。
そこで今回は、「腰のしこり」について注目し、痛みがあるしこりと痛みのないしこりについても、詳しく解説していきます。
今回の流れ
腰にしこりが出来るのは異常?
首や背中ではなく、「腰」にしこりが出来るというのは、それほど珍しいことではないのでしょうか?
どうして体にしこりが出来るの?
●しこりの正体
しこりは、筋肉や皮下組織に起きたある異変が原因にあります。
本来、筋肉や皮下組織は、弾力があり、しかも柔らかいものです。
ところが、この筋肉や皮下組織の一部が、何らかの原因によってこわばったり、その部分だけが固くなってしまうことがあります。
このような状態のことを、「しこり」といいます。
●しこりはどこにでもできるの?
しこりが多く出来る部位といえば、「首」または「胸」ですが、しこりそのものは、筋肉や皮下組織のある部分であればどこでも出来ますから、全身のどの部分であってもしこりが出来ることはあります。
●しこりと腫れは自己判断が難しい
しこりと腫れを判別することは、かなり難しいものです。
「しこりが出来ている」と思って病院を受診したのに、実際には腫れていただけということもよくあります。
もちろん、この逆の例もあります。
とはいえ、しこりであっても腫れであっても、その原因がわからなければ、放置してよい理由にはなりません。
普段の状態とは異なるということは、何らかの異常が身体に起きているということでもあります。
ですから、自己判断せずに、専門医の診断を受けるということが大切です。
腰意外にできるしこりにはどんなものがあるの?
しこりが出来る部位で多いのは、「首」または「胸」です。
首の場合のしこりは、リンパ系の疾患が考えられることもあり、しこりに気が付いた時点で病院を受診する人が多いのが特徴です。
胸の場合のしこりは、やはり女性が気になる部分です。
しこりは、がんの可能性も考えられますし、近年は日本人の乳がんの発症率も上がっています。
早期発見が早期治療のポイントであるという認知も広がっているだけに、「しこりが見つかるまえに検査を受ける」という風潮も強まっているといえます。
また、検査と同時にセルフチェックも普及し始めています。
普段の生活の中で乳房周辺にしこりなどの違和感がないかチェックするもので、この段階でしこりに気が付いて受診するという人も多い特徴にあります。
他にも、しこりが出来る部位には次のようなものがあります。
・わきの下のしこり
・背中のしこり
・耳の後ろのしこり
・手首のしこり
・脚の付け根のしこり
腰にしこりが出来ることもあるの?
腰にしこりが出来るということは、珍しくありません。
ですから、腰のしこりで悩んでいる人も、少なくはないのです。
しこりというと「悪性腫瘍=がん」を連想してしまいがちですが、がんがしこりの原因であるとは限りません。
もちろん、がんであれば、放置すれば重篤な状態に陥る可能性も高く、非常に経過観察に注意が必要な病気ではあります。
ですが、しこりが出来た部位が腰であるということに注目するのであれば、それ以外の可能性も様々なものが考えられます。
次では、「痛みを感じるしこり」と「痛みを感じないしこり」のそれぞれの原因について、さらに詳しく解説していきましょう。
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腰のしこりを押しても痛みを感じないしこりの原因は?
しこりを押しても痛みを感じない時は、「ガンのしこり」ではなく、「脂肪の塊」というケースもあります。
このような脂肪腫の場合は、手術によって取り除くという方法があります。
それ以外にも、しこりを押しても痛みを感じない時の原因はあります。
腰にできるしこりで最も多いのは粉瘤
腰にできるしこりの中でも、最も多いのは、「粉瘤」です。
粉瘤は皮膚にできる良性の腫瘍なのですが、皮膚の良性腫瘍のうちの80%が粉瘤であるといわれています。
粉瘤は、「アテローム」とも言われます。
皮下組織に老廃物が溜まることによって、全身の至る所にしこりが出来る病気です。粉瘤は、主に背中や顔に多く見られます。
粉瘤の症状
粉瘤の大きさは、数cm大が一般的です。
しこりの内部には、ドロドロとした液体が入っており、無理に潰すなどして中の内容物を取り出すと、悪臭がします。
ちなみに、しこりがある部分は、押しても痛みは感じません。
赤身や腫れも、基本的にはありません。
そのため、経過観察のみでも問題がないケースが多いです。
ただし、しこりの部分が大きかったり、細菌に感染したことによって赤く腫れてしまっている場合などは、抗生物質の投与といった積極的な治療を行うこともあります。
また、まれに粉瘤が原因で皮膚がんになる場合もあります。
筋肉性腰痛
筋育成腰痛の場合は、左右の腰にしこりが出来ます。
しこりそのものを押してもそれほど違和感がないのですが、その奥に強烈な腰痛を感じる為、場合によっては「しこりが痛い」と感じる人もいます。
基本的には、しこりがあるあたりの筋肉を押すと、痛みが現れます。
この症状は、肉体労働に従事している人や、激しいスポーツをしている人に多く見られる症状です。
内臓疾患から出来るしこり
左腰にできたしこりであれば、「内臓疾患」の可能性があります。
左腰のあたりには膵臓があり、この膵臓は胃や十二指腸とも深く関係しています。
そのため、すい臓に障害が出来ることによって、その周辺にも影響が現れ、腰にしこりが出来るということがあります。
しこりが痛くなくても経過を観察することが大切
実は、がんが原因であるしこりであっても、初期段階ではしこりそのものに全く痛みがないというケースもあります。
このようながんのしこりと、一般的なしこりを見分けるのは非常に難しいものなのですが、判断の決め手として有効なのが、「しこりの大きさ」と「大きくなるスピード」です。
日常生活の中で気にならない程度のしこりであれば問題はありませんが、やはりあまりにも大きなサイズのしこりであれば、その原因を検査してみることが必要になります。
また、しこりが急激に大きくなったという場合は、悪性の腫瘍である可能性があります。
ですから、現段階でしこりに痛みがないとしても、経過観察をするということが大切になります。
腰のしこりが気になる!押すと痛いのはなぜ?
腰のしこりが気になると、そのしこりの大きさや状態を調べるために、指で押してみますよね?
この時に、よく注意してみてください。
実は、しこりを押したときに痛みがある場合と、しこりを押しても痛みがない場合があります。
この違いによっても、しこりが出来る原因には違いがあります。
腰にできたしこりを押すと痛みが現れる場合の原因には、次のようなことが考えられます。
椎間板ヘルニア
しこりの部分を押した時の痛みが強く、より硬いほど、椎間板ヘルニアの状態も悪い可能性があります。
腰の筋肉がこっている
腰の周りの筋肉に負担がかかるような無理な体勢での作業や長時間にわたって同じ姿勢をキープしていると、腰の周りの筋肉に疲労が蓄積し、筋肉が固くなってきます。
これは「コリの状態」でもあるのですが、この腰の筋肉のこりが原因で、しこりが出来ることがあります。
すい臓がん
すい臓の場合、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
症状は一時的なものが多く、さらに、症状が起きてもしばらくすると解消されることも多いため、発見が難しいがんといわれています。
すい臓がんは、腰に痛みを起こすことも多く、痛みによって筋肉に負担がかかり、しこりが出来ることがあります。
まとめ
どの部分にできるしこりであっても、最初にしこりに気が付いたときは、誰でも不安に感じるものです。
でも、腫瘍といっても、悪性のものばかりではありません。
腰に現れるしこりであれば、皮膚疾患の一つである粉瘤である可能性も高いですし、粉瘤であれば、良性の腫瘍でありますから、命にかかわるような重大な状況を引き起こす可能性もありません。
ですから、まずは何が原因でしこりが出来たのかをしっかりと調べ、状況によっては早めに専門医の診断を受けるようにしてください。