こめかみが痙攣するのはストレスが原因?対処法についても解説!
※この記事は脳外科医の先生に記事の執筆を依頼しました。
ある日突然、こめかみのところが急にピクピクと痙攣しはじめたという経験はないでしょうか?
こめかみだけでなく、まぶたや目のまわりの筋肉も同じように痙攣した経験はありませんか?
このような症状が突然起こると心配になりますよね。
不安になり病院に駆け込んでしまう人もいるかもしれません。今回はこの「こめかみの痙攣」について、その原因や対処法など詳しく解説していきます。
今回の流れ
こめかみの痙攣には3つの原因がある
こめかみがピクピクと痙攣するのは、側頭筋という頭の横についている筋肉が痙攣することによって起こります。
決して頭の中の血管がピクピクしているわけではありません。
また、目のまわりの痙攣は目の筋肉の痙攣によるものです。
これらの筋肉の痙攣がなぜ起こるのでしょうか?
まずはどんな人にでも起こる可能性がある3つの原因について解説します。
ストレス
日常生活の中で受けるさまざまな、
・肉体的ストレス
・精神的ストレス
によって筋肉や神経の緊張が高まり、こめかみの痙攣を引き起こす場合もあります。
ストレスを溜め続けるといろんな病気の原因となるので本当に怖いですね。
疲労・睡眠不足
こめかみや目の周りにピクピクとした痙攣は、
・長時間のデスクワーク
・度重なる重労働
・睡眠不足
・不規則な生活
などにより疲労が体に蓄積されると、筋肉や神経の緊張が高まることによって、引き起こるようになります。
疲れがひどい時だけ一時的にピクピクと痙攣する場合もあれば、慢性的な疲労の蓄積により痙攣が断続的に続く場合もあります。
個人差もありますが、疲れと睡眠不足はこめかみの痙攣を引き起こす原因として重要です。
目の疲れ
こめかみや目の周りにピクピクとした痙攣は、
・パソコン
・スマートフォン
・タブレット
などを長時間使用することで眼精疲労(目の疲れ)を起こします。
この眼精疲労が原因となり、こめかみや目の周囲の筋肉の痙攣を起こすことがあります。
またひどい場合は、
・頭痛
・肩こり
・視力低下
など症状が悪化することがあります。
これはVDT症候群と呼ばれています。
パソコンやスマートフォンが生活の必需品となっている現代社会では要注意ですね。
こめかみの痙攣にはこんな病気が隠れていることも!
こめかみの痙攣の原因として最も多いものは
・疲れ
・目の疲労
・ストレス
であり、個人差はありますが、誰にでも起こる可能性はあります。
仕事も忙しいし、こめかみの痙攣なんて職業病だから仕方ないな…と諦めてもいいのでしょうか?
実はこめかみの痙攣の中にも、深刻な病気が原因となっている場合もあります。
こめかみの痙攣が目のまわりや顔面にまで広がってくる場合は、次に説明する病気も考える必要があります。
中には命の危険がある場合もあるので注意してください。
顔面痙攣
・脳の血管の動脈硬化
・くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤
・脳腫瘍
などが原因となり、顔の筋肉を動かすための顔面神経が頭の中で圧迫されると、痙攣を起こすことがあります。
こめかみや目の周囲の痙攣だけでなく、口もとにも痙攣が起こるようであれば原因として可能性は高くなります。
通常は片側の顔面だけに起こります。
このようにこめかみの痙攣が広がってくる場合は神経内科や脳神経外科を受診し、頭のMRI検査を受ける必要があります。原因がわかれば手術治療が必要になる場合もあります。
Meige(メージュ)症候群
両側まぶたの痙攣が起こるような場合はMeige症候群と呼ばれる病気の可能性もあります。
この場合、口や顎をモゴモゴと動かすジストニアと呼ばれる自分の意思と関係なく現れる異常運動も起こります。
40歳以降の女性に発症することが多いと言われています。
検査や治療に関しては神経内科の受診が必要になり、ボツリヌスA毒素の局所注射などにより治療を行います。
こめかみが痙攣する時の対処法は?3つの方法を紹介します
突然こめかみが痙攣し始めた時はどうすればいいでしょうか?
安静にしてしばらく様子を見ていれば、自然とおさまる場合もあるでしょう。
しかし何回も痙攣を繰り返したり、ピクピクとした痙攣が中々おさまらない場合は次の3つの方法をお勧めします。
基本的には疲労やストレスの蓄積が原因になるので、対処法も疲労やストレスを改善するものになります。
ゆっくりお風呂に入る
お風呂に入り、適温の湯船にゆっくりつかって疲れを癒すことが、こめかみの痙攣の改善につながります。
体全体が温まると全身の血行がよくなり、
・筋肉の緊張
・神経の緊張
もほぐれます。
お風呂の中でマッサージをするのも効果的です。
そして何よりも入浴にはリラックス効果もあるので、ストレス解消の手助けをしてくれます。
好きな香りの入浴剤を使うのもいいでしょう。
血行改善やストレスの解消に伴い、こめかみの痙攣は改善する方向へと向かうでしょう。
十分な睡眠をとる
睡眠不足はこめかみやまぶたの痙攣の大きな原因の一つです。
十分な睡眠をとることは症状の改善につながります。
睡眠により身体と精神を休めることは、筋肉や神経の緊張をほぐすことにつながります。
仕事が忙しくて睡眠時間がとれない!
という人でも、つい深夜番組を観て夜更かしをしてしまったり、睡眠前にスマートフォンをいじりすぎたりしていないでしょうか?
自分の時間をきちんと見直すことで、十分な睡眠時間を確保するように努めましょう。
マッサージやストレッチをする
マッサージやストレッチも効果的です。
こめかみ周辺の筋肉を中心に優しくマッサージをすることで局所の血行改善につながります。
また全身のマッサージやストレッチで体全体の血行をよくすることも効果的です。
このように血行を改善し筋肉の緊張をほぐす効果に加え、マッサージやストレッチにはリラックス効果も期待できるので、こめかみの痙攣の改善につながるはずです。
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こめかみの痙攣を予防する!
こめかみの痙攣の対処法について解説してきましたが、できることなら未然に予防できるに越したことはありませんよね?
ここではこめかみやまぶたの痙攣を予防するための方法について解説します。
意識的に休憩をとる
長時間の作業や仕事に集中してしまうと目の疲れや全身の疲労・ストレスが溜まってしまい、こめかみの痙攣を起こしてしまいます。
そこで長時間の作業を行う際には意識的に休憩をとるよう心がける必要があります。
目安としては1時間の作業を行う場合には約10分間の休憩をとることをお勧めします。
コーヒーなど暖かい飲み物を飲んだりするのもいいでしょう。
休憩をとることは疲労やストレスの蓄積の予防につながり、作業効率も上がるので実践してみて下さい。
体操やストレッチをする
休憩をとる際には体操やストレッチをすることも効果的です。
デスクワークをしているのであれば、一度机から離れて簡単な体操やストレッチをしてみてください。
体を動かすことは筋肉の緊張をほぐし、血行改善につながります。
またストレス発散にもなり、こめかみの痙攣の予防効果が期待できます。
規則正しい生活をする
最後に最も重要なことは規則正しい生活をするということになります。
例えば不規則な食生活をしていると、自律神経のバランスを崩してしまい思わぬ体調不良を引き起こすことになります。
また睡眠不足があれば疲労やストレスが蓄積してしまい、こめかみの痙攣を起こしてしまうでしょう。
普段から規則正しい生活を心がけることは、こめかみの痙攣を予防するだけでなく他の病気の予防にもつながります。
仕事が忙しくてもできるだけ規則正しい生活習慣を心がけることが重要です。
もし、こめかみの痙攣が治らない時は?
こめかみの痙攣を予防するためには
・疲れを溜めない
・ストレスを溜めない
ということが最も重要になります。
具体的な予防法としては、休憩をとることや生活習慣を整えるということになります。
もし、こめかみの痙攣が起きて起きてしまった場合は、
・ゆっくり入浴する
・十分な睡眠をとる
ことでほとんどの場合は対処することができますが、治らない時はどうしたらいいでしょうか?
その時は神経内科や脳神経外科などの専門医を受診をした方がいいでしょう。
こめかみの痙攣にも神経や脳の血管の重篤な病気がかくされている可能性があります。
みなさんご注意下さい。