こめかみに圧迫感があるしめまいがする?その原因と対処法!

※この記事は、脳外科医の先生に記事の執筆を依頼しました。

みなさんの中に

「こめかみにギューっとしめつけられるような圧迫感があって…めまいもする…」

といったつらい経験をされた方はいないでしょうか?

症状がひどくて仕事や勉強に支障が出たことはないでしょうか?

悪い病気の前兆では?と心配される方が多いと思いますが、こめかみの「圧迫感」と「めまい」は実は誰にでも起こる可能性のある症状なのです。

こめかみの圧迫感とめまいの原因、そしてその対処法や予防法について詳しく解説していきます。

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こめかみの圧迫感とめまいがするのはなぜ?

こめかみの圧迫感とめまいの原因はなんでしょうか?

結論から言うと「緊張型頭痛」という病気の可能性が最も高いです。

緊張型頭痛の特徴として、

「朝は元気なのに仕事が終わる夕方頃になると、こめかみや後ろ頭に締めつけられるような圧迫感とめまいが起こる」

という症状があげられます。

片頭痛のように、ズキンズキンとした激しいこめかみの痛みにおそわれる頭痛と違い、午後になると徐々にこめかみの圧迫感が強くなり、夕方頃にピークに達するという特徴があります。

日本人は頭痛持ちの患者さんが多く、約4000万人もいると言われています。

このうちの約800万人が緊張型頭痛の患者さんで、最も多い頭痛のタイプです。

中には症状が長引いてしまい、治らなくて困っている患者さんもいるようです。

 

こめかみの圧迫感とめまいが起こる6つの原因

こめかみの圧迫感とめまいの原因は「緊張型頭痛」ということになりますが、この緊張型頭痛はどうして起こるのでしょうか?日常生活の中に6つの主な原因があります。

・同じ姿勢で長時間つづく作業(デスクワークや立ち仕事)

・パソコンやスマートフォンによる目の疲れ

・運動不足

・手先の細かい作業

・寒さや冷えを我慢して起こる肩こりや首のこり

・寝ている間の歯ぎしり、歯を無意識に食いしばる

これら6つの原因によって肩や首の筋肉が疲れ、過剰に緊張してしまいます。

筋肉が緊張すると血の流れが悪くなり、疲れの原因となる乳酸などの疲労物質が筋肉にたまってきます。

この疲労物質が周辺の神経を刺激することにより、こめかみの圧迫感やめまいを起こす緊張型頭痛を引き起こすことになるのです。

とくに

・肩こり

・運動不足

には注意が必要です。

肩の関節を動かさないとか、無理な姿勢で普段使わない筋肉を使ったりする場合も緊張型頭痛を引き起こすことにつながります。

そしてもう一つ重要な要因があります。

それは精神的な「ストレス」です。

まじめで几帳面な人・神経質な性格の人が緊張型頭痛を起こしやすいとも言われています。

緊張型頭痛は肉体的なストレスと精神的なストレスが複雑に関与しあって起こるようです。

 

こめかみの圧迫感とめまいに隠されている”こわい病気”

こめかみの圧迫感やめまいが起こるのは、肩こりや首のこりから起こる緊張型頭痛だけが原因ではありません。

実は思いがけない怖い病気が隠れていることがあります。この怖い病気を紹介します。

 

脳出血

高血圧などが原因で脳の中に軽い出血を起こすと、頭痛やめまいを起こすことがあります。

出血の大きさにより症状も変わります。

大きな出血を起こした場合は

・言葉を話せなくなる

・手足を動かすことができなくなる

ことがあります。

ひどい時は意識がなくなります。

普段から血圧が高い人や、健康診断で血糖値が高いと言われているような人は、脳出血を起こすリスクが高いので注意が必要です。

 

くも膜下出血

脳の血管にできたコブが突然破れることで起こるのがくも膜下出血です。

もっとも激しい脳の血管の病気で、ほとんどの場合は意識がなくなり救急車で病院に搬送されてきます。

しかしコブが少しだけ破れただけの人は、

・頭が重い

・吐き気がしてめまいがする

というように、風邪とか二日酔いのような症状で病院に歩いてくる患者さんもいます。

頭のCTの検査ではじめて「くも膜下出血」と診断され、そのまま緊急入院・手術になります。

くも膜下出血の一番の特徴は「突然の頭痛」です。

突然、頭が痛くなったりめまいが起こった場合は、念のために病院を受診した方がよいでしょう。

 

脳腫瘍

脳の中に脳腫瘍ができると、

・頭が痛くて圧迫感を感じる

・吐き気やめまいを感じる

といった症状が出現します。

良性のものから悪性のものまで、様々な種類の脳腫瘍があります。

特徴としてはこれらの症状が朝方に強く出現することが多いということになります。

少し難しい話になりますが、眠っている間は呼吸が浅いため、脳が少し腫れてきます。

頭の中に脳腫瘍ができていると圧迫が強くなり、朝起きた時に頭が重いとかフラフラするといった症状が強く出るのです。

こめかみに限らず、明け方に頭が圧迫されるように痛いとか、めまいがひどいという場合は脳腫瘍の可能性もあるので専門医に相談してみてください。

 

脳の感染症

脳の中に細菌やウイルスなどが感染すると、頭が圧迫されるように痛くなったり、めまい感が出現することがあります。

高い熱が出たり、言動がおかしくなる場合もあります。

ひどくなると全身の痙攣を起こしたり、意識が悪くなったりします。

単なる風邪かなと思っていたら脳の感染症だったということもあります。

症状がひどい場合や、いつもの風邪と違うなと思ったら病院を受診した方がいいでしょう。

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こめかみの圧迫感とめまいがした時の4つの対処法

こめかみの圧迫感やめまいの原因である緊張性頭痛は、原因となる首や肩のこりを改善することが根本的な解消につながります。

この対処法を4つ紹介します。

 

マッサージやストレッチをする

前傾姿勢で長時間におよぶデスクワークをするなど、首や肩に負担がかかることで緊張型頭痛を起こします。

・こめかみや首・肩の周辺をマッサージする

・ストレッチを行う

こういったことで筋肉のコリを解消すれば、緊張型頭痛を改善することができるでしょう。

 

首や肩の血行を改善させる

首や肩の筋肉を温めて血行を改善すれば、筋肉にたまった老廃物を排除することができます。

これにより緊張型頭痛の症状は軽くなるはずです。

例えば濡らしたタオルを電子レンジで温めてホットタオルを作り、首や肩にかけて温めてもいいでしょう。

またゆっくりお風呂につかって全身を温めることも血行改善に効果があります。

 

リラックスする

ストレスはさまざまな体調不良の原因となります。

ストレスが溜まると首や肩の筋肉も硬くなり、緊張型頭痛を引き起こす原因になります。

ストレスを溜めないようにするためにはリラックスをすることが大切です。

・自分の好きな音楽や読書をする

・十分な睡眠をとって体を休める

こういったことで息抜きをすることで、リラックスにつながります。

自律神経を整えるために深呼吸をするのもよいでしょう。

 

薬による治療

どうしてもこめかみの圧迫感やめまいがよくならない場合は、薬による治療も必要になってきます。

・痛み止めの薬を飲む

・首や肩のこりに対して湿布薬を貼る

これらのことで、症状を和らげる効果が期待できます。

ストレスが原因であれば抗うつ薬なども場合によっては必要になります。

筋肉の緊張をほぐす効果がある緊張型頭痛の薬もあるので、マッサージやストレッチなどで症状が改善しない場合は病院を受診した方がいいでしょう。

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こめかみの圧迫感とめまいを予防するためには?<5つの予防法>

こめかみの圧迫感とめまいが起こる原因や対処法について説明してきました。

しかしできることなら、症状を起こさないように普段から予防したいですよね。

最後になりますが、こめかみの圧迫感とめまいの原因となる緊張型頭痛の5つの予防法について紹介します。

 

仕事の時に姿勢を変える

デスクワークなど、同じ姿勢で長時間作業を続けてしまうことがあると思います。

この同じ姿勢が首や肩のこりの原因となり、緊張型頭痛を引き起こしてしまいます。

・普段から正しい姿勢で仕事をすること

・20~30分毎に作業の姿勢を変えること

を意識してみてください。

また肩の上げ下げ運動や、首を左右にゆっくり倒すといった簡単な運動を行う習慣をつけることで緊張型頭痛を予防することができます。

 

休憩をする

仕事やストレスによって、身体的・精神的な緊張状態が続いてしまうと緊張型頭痛を起こすことがあります。

この緊張した状態を和らげることが大切です。

具体的にはパソコンやスマートフォンのモニターから視線をはずし、

・目の疲れを溜めないようにする

・デスクから離れてストレッチや軽い運動をする

などが効果的です。

またコーヒーなど温かい飲み物を飲むことは、体を温めて血行を改善するだけでなく、精神的な緊張をやわらげる効果もあるので、緊張型頭痛の予防につながります。

 

深呼吸をする

ストレスのかかる仕事をしている時は交感神経という自律神経が優位になります。

この交感神経は活動性や緊張を高める作用があるため、心身の緊張が高まり緊張型頭痛を起こしてしまいます。

この交感神経を落ち着けるためにできること、それが「深呼吸」です。

特に息を吐くときになるべくゆっくりと吐くように心がけてみてください。

仕事の合間に深呼吸をすることを習慣にして、自律神経のバランスを整えることをお勧めします。

 

枕の高さに気をつける

意外かもしれませんが、枕の高さが高すぎると緊張型頭痛を起こすことがあります。

高い枕で首が過度に屈曲し、寝ている間に首や肩の筋肉の緊張を起こします。

このことが首や肩のこりにつながり緊張型頭痛を起こしてしまいます。

夜しっかり寝ているのに肩こりや首のこりが強い人は、自分の枕の高さを確認してみて下さい。

自分にあった高さの枕を使うように心がけましょう。

 

体の代謝機能をあげる

運動や筋力トレーニングで筋力アップをすると、体の代謝機能が上がり血行改善につながります。

血行がよくなれば、筋肉の中の老廃物を効率よく排出させることができるので、肩こりや首のこりはよくなるでしょう。

また筋力アップすれば、体にかかる負担も軽くなります。

緊張型頭痛を予防することができるだけでなく、健康増進やストレスの解消にもつながります。

これら5つの予防法を今から実践し、こめかみの圧迫感やめまいの原因となる緊張型頭痛を予防しましょう。

またどうしても症状がよくならなければ脳の怖い病気の可能性もあるので、我慢せずに病院を受診してみて下さい。

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