二の腕がしびれるし痛い!その原因と対処法を分かりやすく!
二の腕というと、わきの下から伸びる腕の付け根の部分にあります。
しびれを感じやすい部分といえば、二の腕よりは指先の方に注目がいきがちなのですが、最近では「二の腕のしびれ」を訴える人も増えています。
あまり聞くことがない二の腕のしびれには、一体どんな原因があるのでしょうか?今回は、「二の腕のしびれと痛み」にスポットを当てて解説をしていきます。
では、早速見ていきましょう。
今回の流れ
そもそも、二の腕ってそんなにトラブルが起きやすい部分だった?
腕から末端にかけてのトラブルといえば、どちらかといえば、指先や肩の方が身近に感じられます。
でも、最近二の腕のトラブルに悩む人が、少しずつ増えています。
でも二の腕は、それほどトラブルが起きやすい部分だったのでしょうか?
実は、二の腕のトラブルで本当に怖いのは、症状の原因が二の腕以外にあるということです。
しかも、二の腕に感じる痛みの原因は、1つではありません。痛みを感じる部分によっては、
・神経や皮膚の異常
・肩こり
など、二の腕以外が原因である場合もあるのです。
二の腕の内側が痛い
二の腕に、ヒリヒリとした痛みを感じたら、まずは、表面にけがや傷がないか調べてみましょう。
けがや傷に直接服などが触れることによって、痛みを感じるということがあります。
ただし、ケガや傷がないのにヒリヒリと痛むという場合は、二の腕周辺の神経に何らかのトラブルが起きている可能性があります。
たとえば、二の腕の痛みが、ヒリヒリと痛む」から「ズキズキと痛む」にかわっている場合は、首の神経が圧迫されることによっておこる「変形性頚椎症」を引き起こしている可能性があります。
●変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)
変形性頚椎症は、初期症状が肩こりや首の痛みなどであるため、症状が進行するまで原因に気が付かないということが起きやすい病気です。
症状が進むと、二の腕の痛みやしびれだけでなく、
・足のしびれや痙攣
・排尿障害
などを引き起こす可能性もあります。
この病気は、加齢が原因で椎間板が薄くなったり、椎骨の縁にとげのような骨(骨棘)が神経や血管を圧迫することが原因で起こると考えられています。
早期に治療を開始すれば、病状の進行をくい止めることもできますが、病状が進行すれば、日常生活にも支障をきたすような深刻な症状に陥る可能性もあります。
二の腕がピリピリ痛む
同じ痛みであっても、ピリピリと表面に痛みを感じる物であれば、ウイルスに感染したことでおきる「帯状疱疹」の可能性があります。
●帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することによって起きる、ウイルス感染症の一種といわれています。
感染症といっても、他人から感染して発症するものではないのが特徴です。
(ただし、接触感染の恐れはあるため、子どもや妊婦の場合は注意が必要です)
明確な原因は、今のところ解明されてはいないのですが、主な原因として考えられているのは、
・ストレスや加齢
・薬の投薬や日光などの刺激
こういったことによる免疫力の低下だといわれています。
帯状疱疹の患者の特徴としては、50~70代に多いという点が挙げられます。
ただし、ストレスが発症の引き金となるケースもあるだけに、若い世代であっても発症する可能性はあります。
症状の程度は、感染した年齢には特に関係はないですが、その代り、患者の抵抗力と深く関係しているといわれています。さらに、治療をせずに放置すれば、重症化することもあります。
また、皮膚に現れる症状は改善しても、ピリピリとした痛みが継続する場合は、「帯状疱疹後神経痛」である可能性があります。
二の腕が痛むときに考えられる他の原因
●上腕二頭筋腱断裂
スポーツなどが原因で起きることもありますが、加齢が原因で自然に断裂する場合もあります。
この病気を発症する患者の傾向としては、中高年の肉体労働者に多い点が挙げられます。
●頸椎椎間板ヘルニア
7つある頸椎の間にあり、衝撃を吸収するクッションとしての役割を持っているのが、椎間板です。
頚椎椎間板ヘルニアは、この椎間板に亀裂が入り、内部の髄核が飛び出すことによって痛みやしびれを引き起こす病気です。
明確な原因によっておこるものではないのですが、加齢や運動による不可、遺伝的要因など様々なことが影響しあって起きると考えられています。
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二の腕の痛みの原因はリンパかも?
二の腕とリンパというと、あまり関連がないような気がするかもしれませんが、実は大いに関係があります。
二の腕に関係するリンパというと、わきのリンパ節になりますが、このリンパ節に痛みやしびれなどの違和感がある場合、次のような病気の可能性もあります。
リンパが原因だと考えられる病気
●化膿性リンパ節炎
化膿性リンパ節炎は、ケガなどの傷口から細菌が侵入したことによっておこる病気です。
リンパ液内に細菌がとどまり増殖するため、二の腕が痛んだり赤く腫れたりします。
主な治療としては、抗生物質の投与などがあります。
●結核性リンパ節炎
結核菌に感染することによって、リンパ節が炎症を起こしたのが、結核性リンパ節炎です。
症状といては、炎症を起こしたリンパ節が腫れたり痒みを感じるというのが主になります。
痛みを感じることもありますが、比較的痛みの症状は少ないというのが一般的です。
結核菌が原因ですから、治療は抗結核剤の投与が主な治療法となります。
炎症の状況によっては、腫れを抑える冷却処置を行う場合もあります。
●亜急性壊死性リンパ節炎
命の危険性はありませんが、病気としては非常に珍しいものです。放置していても、数カ月程度で自然治癒することもあります。
ただし症状としては、リンパ節の腫れや高熱などがあります。
発症の詳しい原因はわかっていませんが、アレルギーやストレスも原因になると考えられています。
●悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は、血液のがんといわれているだけに、放置していると大変危険な状態に陥る可能性があります。
主に、リンパ節の腫れやしこりが見られます。
ただし、腫れやしこりの部分に痛みないというのも、悪性リンパ腫の特徴にあるため、病気に気が付きにくく、病状がかなり進行した時点で発覚する場合も少なくありません。
■初期症状
しこりや腫れが、悪性リンパ腫の初期症状の特徴です。
ただし、痛みはありません。
・発熱や体重減少
・ひどい寝汗が起きる
こういった症状がこの病気の特徴であり、この3つの症状は「B症状」とも呼ばれています。
■生存率
悪性リンパ腫の場合、5年生存率が高いというのも特徴です。
他のがんと比べて高い確率で治癒するのも、悪性リンパ腫の特徴であるため、早期発見早期治療が求められます。
■治療法
悪性リンパ腫の治療法には、「放射線療法」「化学療法」「生物学的製剤」「造血幹細胞移植」など、複数の治療法があります。
そのため、状況に応じて最適な治療法を組み合わせるという方法が取られます。
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もしも二の腕にしびれや痛みがあったら?
二の腕のしびれや痛みがあった場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
自分でも出来る対処法
二の腕の痛みやしびれの中には、効果的なツボを刺激することによって、症状を改善する方法があります。
●もしかしたら四十肩(五十肩)かもという場合は
四十肩や五十肩に効果があるツボとしては、臑兪(じゅゆ)を押すと効果があります。
臑兪は、肩甲骨の外側の少し下にあるくぼみのことで、刺激する時は、ゆっくりと圧をかけるようにします。
●二の腕の痛みを何とかしたい場合は・・・
腕の痛みやしびれに効くツボには、「曲池(きょくち)」「手五里(てのごり)」がおすすめです。
曲池は、肘を曲げた時にできるしわの部分にあるつぼで、二の腕の痛み以外に、肩こりにも効果があります。
手五里は、曲池から指3本くらい離れた位置にあるツボです。
●とりあえずなんにでも効果がある対処法
万能のツボと呼ばれる「合谷(ごうこく)」がおすすめです。
あらゆる痛みに対応しているため、覚えていると便利です。
人差し指と親指の骨が重なる部分から、少し人差し指寄りにあるつぼです。手の中にあるツボですから、痛みを感じた時の応急処置として便利です。
こんな時は病院に行こう!
身体に痛みやしびれが現れる場合、やはり、何かの病気の可能性というものが考えられます。
しこりや発熱など、痛みやしびれ以外の症状がある場合は、やはり重大な病気の可能性を考えて早めに受診をする人が多いようです。
その一方、我慢できる範囲の痛みやしびれとなると、どうしてもそのままにしておくという人が増えてしまいます。
ですが、二の腕は、リンパに非常に近い部分でもあり、リンパの異常によって痛みやしびれを引き起こしている場合もあります。
リンパの場合は、「血液のがん」と呼ばれる悪性リンパ腫のような、命の危険がある病気もあります。
ですから、セルフケアで症状改善を試してみても、ほとんど効果がない場合や、痛みなどの症状が長期にわたる場合は、できるだけ早く専門機関を受診することをおすすめします。
まとめ
二の腕に起こる痛みやしびれとなると、やはり注意深く症状をチェックするということが、重大な病気を見過ごさないためのポイントといえるようです。
二の腕に起こる症状の原因には、わきにあるリンパ節が関係しているものも多いのですが、リンパが関係している場合で重大な病気となる「悪性リンパ腫」には、痛みの自覚症状がありません。
また、二の腕に痛みやしびれがあるにもかかわらず、その原因が首や肩など、二の腕以外の部位に起きたトラブルが原因である可能性もあります。
この場合は、神経や血管を圧迫し、重大な状態を引き起こす危険性もあります。
ですから、二の腕のトラブルほど、放置せずに、症状に応じて早めに専門機関を受診するということが、大切なポイントになります。