突然の腰の激痛の原因は?動けないとき、立てないときはどうする?

何の前触れもなく、突然腰の激痛に襲われたら、まずはどうすればいいのでしょう?

無理に動いてもいいのでしょうか?それとも、すぐに横になるべき?

さらに、もしも、腰の激痛で動けなかったり、立てなかったら、どうするべき?

今回は、このような緊急事態に遭遇した時のために知っておきたい、「突然の腰の激痛・対処法」について解説していきます。

では、早速見ていきましょう。

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突然、腰の激痛が起きる時に最も多い原因

突然、腰の激痛が起きる原因には、次のようなものが考えられます。

寝方が悪い

前日の夜、眠りにつくまでは何ともなかったのに、朝起きると、腰に激痛があるという場合があります。

この時に考えられる原因は、「寝方の悪さ」です。

とはいえ、正しい寝方に関しては、専門家によって意見が異なります。

「うつぶせ寝」「仰向け寝」「横向き」とそれぞれメリット・デメリットがあるようなのですが、効果に関しても個人差があります。

 

突然腰の激痛が起きたときの対処法

とりあえず、普段の寝方に注意してみましょう。

その際、寝方を変えるという方法以外に、寝具を見直すという方法もあります。

体に合わない寝具を使い続けていたことによって、腰に負担がかかり、痛みを引き起こしている可能性も考えられます。

 

ぎっくり腰

ぎっくり腰は、「急性腰痛」または「椎間捻挫」とも呼ばれており、腰椎が瞬間的にずれたことで腰の筋肉が炎症を起こした状態のことを言います。

ぎっくり腰が起きる原因としては、

・筋肉疲労や体のゆがみ

・瞬間的に腰の筋肉に負荷がかかる

の3つが考えられます。

「筋肉疲労」の場合、短期的な疲労の蓄積というよりも、日常生活で起きる筋肉疲労が蓄積したことによって起きると考えた方がよいでしょう。

これは、筋肉の疲労が起きているにもかかわらず、疲労の回復を図らずに症状を放置してきたことで、腰の筋肉が負担に耐えられなくなり、突然の激痛を引き起こしたと考えられます。

「体のゆがみ」の場合、歪んだ骨格が左右のアンバランスを生むことによって、腰を支える筋肉に余計な負荷が加わり、この時の疲労が蓄積されたことによって起きたものと考えられます。

「瞬間的に腰の筋肉に負担がかかる」の場合は、ぎっくり腰になった状態を表現する時に一般的にイメージする「あの瞬間」です。

ここで使う「あの瞬間」とは、

・重い荷物を一気に持ち上げようとした瞬間

・高い場所から飛び降りた瞬間

・横になっている状態から勢いをつけて起き上がった瞬間

のことを言います。

この動作のどれをとっても、腰の筋肉には瞬間的に負担がかかっています。

これが、ぎっくり腰を引き起こした原因です。

 

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの場合、腰に猛烈な激痛が起こります。

場合によっては、咳やくしゃみをしただけでも、腰に激痛が走ることがあります。

また、おしりから足の甲あたりにかけて痺れやうずくような痛みが起きる「坐骨神経痛」が起きる場合もあります。

 

椎間板ヘルニアの原因は?

腰にまでつながっている背骨は、全部で24個の骨で構成されています。

この個々の骨を「椎骨」といい、これらがつながって背骨を形成しています。

それぞれの椎骨の間で衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているのが、「椎間板」です。

椎間板は、軟骨の一種と呼ばれていますが、その中心部には「髄核」と呼ばれる部分があり、この周辺には固い組織である「繊維輪」があります。

この繊維輪に亀裂が入り、中にある「髄核」が飛び出すことによって、神経を圧迫し、激しい痛みが起こります。

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突然、腰の激痛が起きる病気

腰の激痛が突然起きたものであるのなら、腰そのものが痛みの原因ではない可能性があります。

その中でも、次のような病気の場合、放置すると大変なことを引き起こす可能性があります。

 

子宮外妊娠

子宮外妊娠によって卵管が破裂すると、身動きが取れなくなるほどの激痛に襲われることがあります。

腰や下腹部周辺だけでなく、胃のあたりにまで痛みが発する場合も多いのが特徴です。

子宮外妊娠で痛みが起きる原因は、卵管が破裂することによって大量出血が起こり、内臓の裏側などに流れ込むことによって激しい痛みが起こります。

流れ込んだ場所が広範囲に及ぶと、腰や腹部以外にも痛みが広がります。

 

急性膵炎

多くの場合、みぞおち周辺を中心に左側の腹部や背中に激痛が起こります。

鈍痛で治まるような軽度の場合もありますが、動けないほどの激痛が起きることもあります。

また、吐き気、嘔吐、発熱など症状も現れます。

急性膵炎で痛みが起きる原因は、すい臓でつくられた酵素が過剰に発生することによって、すい臓そのものが消化されてしまい、炎症が起きるのが急性膵炎です。

そのため、激しい痛みが発生します

 

十二指腸潰瘍

下腹部やみぞおちあたり周辺が痛みを強く感じる部位になりますが、併せて腰や背中が痛むこともよくあります。

十二指腸潰瘍の場合、空腹時に激しい痛みを感じます。

初期段階では、みぞおち付近に痛みを感じるのが一般的です。

ただし、症状が悪化すると腫瘍は深くなり、場合によっては膵臓を突き抜けることがあります。

この場合、背中の方が強く痛みを感じます。

十二指腸潰瘍の場合、ストレスや暴飲暴食が原因で胃酸が過剰に分泌されることによって炎症を起こすために、痛みが起こります。

痛みは、空腹時や食事前に現れるのが特徴です。

 

腹部大動脈瘤

大動脈瘤には、瘤が出来た部位によって分類されます。

そのため、腹部にできたものは、腹部大動脈瘤といわれます。

初期段階ではほとんど自覚症状はないのですが、進行すると、腰や背中を中心にみぞおちや腹部、胸の周辺まで痛みが広がります。

重症になると、突然腰の激痛が起こります。

腹部大動脈瘤で痛みが起きる原因は大動脈の一部にこぶ(瘤)ができて、周辺を圧迫することによって痛みが起こります。

急激な痛みは、大動脈にできたこぶが大きくなることで血圧に耐えられなくなり、破裂することによっておこります。

破裂すると大量出血が起こるため、血圧が低下し失神する「出血性ショック状態」に陥ります。

 

突然の腰の激痛のあと、動けない時は無理に動かしても大丈夫?

突然の激痛で動けなくなってしまったとしても、どうにかしてその場からは移動しなければならないはずです。

でも、無理に動かして余計にひどくなってしまうという事態だけは避けたいものです。

ただし、痛みの状態や原因によっては、救助してもらうまでその場で動かないということも大切になります。

 

ぎっくり腰の場合

ぎっくり腰の場合は、突然激痛に襲われても、横になって安静にすれば、痛みが少し治まるようになります。

ですから、救急車を要請する必要はありません。

少しの間横になれる場所へ移動し、しばらく休むようにしましょう。

 

椎間板ヘルニアの場合

椎間板ヘルニアも、ぎっくり腰と同じです。

まずは安静するというのが、大切です。

もしも横になる場所がない場合は、四つん這いの状態になって、痛みが少し落ち着くのを待ちましょう。

壁がある場合は、壁に腰を押し付けながらうずくまると、腰に負担をかけずに休むことが出来ます。

背中を少し丸めた状態にすると、痛みが薄くなります。

 

子宮外妊娠の場合

急激な激痛は、体内に大量の出血が現れることによっておこる場合があります。

このような場合は、ショック症状に陥る可能性がありますので、救急車を要請し、急いで病院に行きましょう。

 

急性膵炎の場合

膵炎の場合、食後に激痛が起きるという特徴があります。

基本的には、水分の補給や食事を絶つことによって膵臓を休ませると、痛みが治まります。

少しの間、痛みが和らぐのを待ち、動けるようになったら、早めに病院に受診しましょう。

病院では、絶食治療で脱水症状が起きるのを防ぐために、高カロリー液の点滴治療などが行われます。

 

十二指腸潰瘍の場合

十二指腸潰瘍の痛みは、空腹時に痛みが起きるケースが多いものです。

ですので、空腹を紛らわすようなものを補給し、痛みが和らぐのを待ちましょう。

痛みが和らいだら、早めに専門機関を受診してください。

 

腹部大動脈瘤の場合

激痛によって、ショック症状を引き起こす可能性があります。

意識を失ったり命の危険もありますので、無理に動かさず、すぐに救急車で病院に行きましょう。

その際、痛みで頭などを地面に強くぶつける可能性もありますので、二次的なケガを防ぐ応急処置は行います。

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突然の腰の激痛に立てない時は無理に立ち上がらない

ち上がろうとすると激痛が襲ってきて立ち上がれないという場合は、無理に体を起こそうとしないことが大切です。

もしも無理に立ち上がった時、痛みでショック状態に陥ってしまえば、失神やめまいで転倒し、二次的なケガが起きてしまう可能性もあります。

 

まずは倒れないようにする

転倒による二次的なケガを防ぐには、慌てて動かないということが大切です。

低い姿勢で少しずつ動かし、壁などを使ってゆっくりと起き上がりましょう。

 

体に対するストレスを取る

身体をしめつけるような衣服は、身体に対するストレスを強くします。

ですから、ボタンやベルト、シャツなどは脱ぎ、できるだけリラックスした状態で症状が治まるのを待ちます。

 

症状が治まってきてもすぐには動かない

症状が治まったと思っても、すぐに動き出すことによって、症状が再び現れるということがよくあります。

痛みだけでなく、吐き気やめまいなど別の症状が起きることもありますので、症状が治まった後でも、動くときはゆっくりと慎重に体を動かすようにします。

 

まとめ

慢性的な痛みであれば、気持ちにも動作においても対策がある程度できる分、痛みに襲われたとしてもパニック状態に陥ることはほとんどないでしょう。

ところが、突然の激痛となると、誰もがパニック状態に陥ってしまいます。

大切なことは、痛みの原因について知識を持っておくことで、突然の痛みであっても適切に対応できるという心の準備にあります。

原因や対策を知っていることで、緊急治療が必要となる重篤な状態に陥ったとしても、速やかに対応することが出来ます。

「慌てずに行動する」ということは、突然起きる体のトラブルに最も効果的な対処法です。

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