爪に赤い線や点など赤い部分がある理由と対処法
爪は健康のバロメーターと言われていますが、あまり普段注意して見ている人は少ないでしょう。
ふと気づけば、いつの間にか爪の一部が剥離していたり、いびつに歪んでしまったりしていることもあります。
ビタミン不足やちょっとした刺激などで簡単に爪に異常が現れることも多いのですが、中でも赤い線や点が現れた場合には注意が必要なケースもあります。
今回はそんな爪に赤い線や点が現れる理由と対処法についてはじめ君と神田先生と一緒に見ていきます。
今回はそんな爪に赤い線や点が現れる理由と対処法について4つの見出しに分けてお伝えしていきます。
では、早速見ていきましょう。
爪の表面に赤や黒の点や線が現れたとき
爪の表面に赤や黒い色の縦線や点が現れた場合、そのほとんどは老化現象の一種によるもので心配ないものだと言えます。
ある程度の年齢を重ねた方であれば、一度や二度はこういった経験をしたこともあるでしょう。
ところが、
・いつまでたってもこの赤い線や赤い点が消えない場合
・色が黒ずんできた場合
などは重い病気が原因となっていることもあるので注意が必要です。
赤黒い点や線が現れた場合、もしかしたら、
・メラノーマ
・アジソン病
といった聞きなれない病気が隠れている可能性もあります。
メラノーマとは肌や爪の組織などに発生する悪性の黒色腫のことで、つまりがんの一種ということになります。
皮膚がんの一つとして診断されることが多く、爪の下の皮膚にも発生することがあります。
皮膚に発生した場合は大きなホクロのように見えますが、爪の下に出来る場合は、
・小さな赤い点
・小さな赤い線
などの形で現れるケースが多いです。
もし放置して症状が進行すれば、最悪の場合指を切断しなければならないこともあるので、決して楽観視することはできません。
爪にできたものがここまで悪化するケースは稀ですが、赤い部分が合ったり線が現れたりした場合はできるだけ早く皮膚科などの医師に診察して貰うことが大切です。
アジソン病とは、難病にも指定されている副腎低形成という症状を現します。
人間だけでなく犬や猫などの哺乳類も罹患することが知られており、体内で分泌される副腎皮質ホルモンが極端に少なくなることで
・疲労感や筋力の低下
・原因不明の体重減少
・著しい低血圧
など様々な症状が見られるようになります。
このほか、
・吐き気や嘔吐
・食欲不振や下痢
などあらゆる症状が出ることで、精神的に追い詰められて鬱症状などを併発してしまう患者も珍しくありません。
この病気の場合、早期発見と早期治療が必要不可欠となるので、メラノーマと同じく赤い部分を見つけたら病院を受診するようにしましょう。
爪の表面に赤や黒の線が現れる原因
赤い線や点が現れた場合、その原因は毛細血管を流れる血液が何らかの原因で出血し、長さ数ミリの縦線として現れます。
最初は鮮やかな赤色やピンク色をしていますが、日数が経つごとに赤黒い色や赤紫っぽい色に変色します。
初期の段階では患部を圧迫すると赤い線は消えますが、変色するほど悪化してしまうと、圧迫しても消えることなく残ります。
このような線状の出血は、毛細血管に雑菌が繁殖したことで発生することもあります。
例えば、亜急性心内膜炎という心臓病の一つに罹患すると、代表的な症状のひとつとして赤い線が現れるようになります。
この時は、赤い線が発生するのと前後して何日も高熱が続き、全身の倦怠感や衰弱が著しくなっていきます。
さらに、国内ではあまり見られませんが、旋毛虫という寄生虫に感染すると毛細血管を突き破って体内を移動するため、線状の出血が起きることもあります。
旋毛虫が生息している地域に行くことがあれば、爪の状態には特に注意しておきましょう。
爪の表面に赤の点が現れる原因
また、線の他に赤い点状の出血にも注意が必要です。
毛細血管が何らかの原因によって大きく拡張した場合、その中に
・多量の血液が溜まってしまう
ために赤い点として見えるようになります。
内出血しているわけではないので、爪が伸びても一緒に移動することはありません。
患部を強く押している間は症状が消え、手を放すと点が戻ってくるという特徴があります。
このような症状が現れる場合、オスラー病という病気に罹患している可能性が高くなります。
オスラー病とは、主に遺伝によって親から子に引き継がれることが多い出血性の末梢血管拡張症のことで、指だけでなく全身の血管に奇形などの異常が起こりやすくなってしまいます。
症状は人によって異なりますが、幼い子供の頃から鼻血が出やすかったり、爪や口に赤い点が頻発するようになると罹患している可能性があります。
また、胃などの消化器官から出血することもあるので、気付かないうちに出血が続いて慢性的な貧血を引き起こしてしまうこともある恐ろしい病気です。
遺伝性で非常に珍しい病気ではありますが、万が一ということもあるので思い当たる節があれば医師に相談するようにしましょう。
スポンサードリンク
爪の表面に赤や黒の縦線が現れたときのその他の理由
このような重篤な病気が隠れているケース以外にも、様々な理由で赤い線や点が現れることもあります。
例えば、
・無理なダイエットなどによる栄養バランスの偏り
・過度な乾燥や過度のストレス
こういったことでも爪に異常が発生することが多いです。
特に、ビタミンBが不足すると爪が正常に成長できずに異常が現れやすくなるので、既に異常が出ている場合は食事の際に意識してビタミン類を摂取するようにしましょう。
もし爪に赤い線や点が出来てしまった場合、病気が原因であれば病院を受診して適切な治療を行うことで改善させることもできます。
病気以外の生活習慣などが原因となっている場合は、それを改善させつつ自分でネイルケアをすることで症状を消すこともできます。
赤い線を消す最も手軽で手っ取り早い方法としては、やすりなどで患部を削ってしまう方法が挙げられます。
あくまで対処療法的な方法なので根本的な解決にはなりませんが、どうしても気になる場合はこの方法で消してしまうと良いでしょう。
ただ、症状が出ている根本の原因が改善されていないと、消してもすぐに再発してしまう可能性が高いです。
やすりで削ることを繰り返していると、次第に爪が薄く弱くなっていってしまい、ちょっとしたことで剥がれてしまったり他の異常を引き起こしてしまうこともあります。
そうなってしまっては元も子もないので、あまり頻繁に削ることは止めておきましょう。
削る以外の方法としては、マニキュアを塗ったりスカルプなど手入れのいらないコーティングをしてしまうというものも挙げられます。
ただ、毎日このようなケアをするのは時間も手間もかかりますし、ただでさえ弱っている爪に大きな負担をかけてしまうので注意が必要です。
終わりに・・・
このように、爪に現れる赤い線や点といった異常には、生活習慣の乱れだけでなく重大な病気が影響している可能性もあります。
どこかへぶつけたのかも、と気にせずに放置していると、せっかく身体が発してくれた警告を見逃してしまうことにもなり兼ねません。
早期に対応すれば病気を改善させられる可能性もあるので、異常を見つけた場合はできるだけ早く専門の医師に診てもらうことが必要です。
大切な自分の身体を守るためにも、爪は健康のバロメーターであるということを忘れず、定期的に様子を確認する癖を付けておくようにしましょう。