胸が苦しいし咳が出る!痰が絡むのはどうして?
胸が苦しいという症状は、日常生活の中でとても不快な症状の一つですよね。
しかも、この症状に咳や痰といった症状が加わると、何か重大な病気の可能性も考えてしまいます。
たかが咳・痰といっても、それが隠れた病気のサインということもあります。
今回は、そんな咳と痰についても、はじめ君親子と神田先生と一緒に見ていきます。
今回は大きく2つの見出しに分けて、胸が苦しくなって咳が出る時と胸が苦しくなって痰がでる時についてもお伝えしていきます。
では、早速見ていきましょう。
今回の流れ
胸が苦しいときに考えられる病気
胸が苦しくなる病気は、とてもたくさんあります。
身近なところで考えると、
・ストレスが原因
となって胸が苦しくなることがあります。
例えば、片思い中の相手のことを考えている時。
「好きだ」という気持ちだけでなく、「自分のことをどう思っているんだろう」とか「もしかしたら嫌われてる?」など、いろいろなことを考えてしまいますよね。
この時普段の穏やかな精神状態が乱れてしまうため、体にストレスとして負担がかかってきます。
このように普段の生活でのストレスが原因で、胸が苦しくなるケースがあります。
次に考えられるのが、
・呼吸器系の疾患が原因
となっているケースです。
呼吸によって体に取り込まれた空気が通る場所に何らかの疾患があることと、その疾患が原因で胸が苦しくなることがあります。
他にも、
・心疾患や血管の病気
・消化器系の病気
なども、胸が苦しくなる病気として考えることがあります。
胸が苦しくて咳がなかなか止まらないなら
咳が出るという症状は、もともとは、体の中に入り込もうとした菌を外に排出する役目があります。
ですから咳は体の中に入ろうとする異物から守ってくれる、大切な生理現象でもあるのです。
でも、その咳がなかなか止まらず、しかも胸が苦しいのなら、別の原因があるのかもしれません。
●タバコが原因の場合
タバコには、呼吸器や肺に有害な物質が含まれています。
タバコを吸うと、その煙は呼吸器を通って肺にたどり着きます。
この時、タバコに含まれる有害物質は、肺胞の構造を破壊していきます。
こうなると肺は穴だらけになってしまい、酸欠状態になってしまいます。
これが、タバコが原因で胸が苦しくなる原因です。
咳が出るというのも、タバコの影響と考えることがあります。
喫煙習慣があって、
・肺が痛い
・咳がなかなか止まらない
こういった場合そのまま放置することで、もっと重大な病気を発症する危険性があります。
●肋骨にひびが入っている場合
肋骨は、胸の上部を守る胸郭の一部です。
全部で12本あり、肺や胸を守るような形をしています。
この不思議な形の肋骨は呼吸をすると、他の胸郭と一緒に膨らんだり縮んだりします。
その肋骨にひびが入ると、呼吸によって胸郭が膨らむたびに胸に痛みが出ます。
また咳が出るたびに、ひびが入った部分が痛みます。
肋骨のひびが治らなければこの症状も続くので、とても苦痛に感じるでしょう。
肋骨は骨粗しょう症の傾向がある高齢者の場合、咳をしただけでもひびや骨折につながることもあります。
風邪の症状があって胸が苦しい時、なぜか咳をするたびに痛みが出るなら肋骨のひびの可能性も考えてみたほうがいいでしょう。
以下の記事もオススメです。
→あばら骨にひびが入って痛みが!期間はどれくらい?
●胸膜炎
胸膜炎は肺炎の一種ですが、肺炎と違い気管や胸の筋肉に疾患があります。
肺には痛みを感じる神経がありませんので、肺炎になっても胸の苦しさを感じるだけです。
しかし肺の疾患ではない胸膜炎は肺を包んでいる胸膜に炎症を起こすこともあるので、痛みを感じます。
肺膜炎の症状の一つとして、
・咳が多く出る
・微熱が続く
などの症状もありますので、思い当たるようなら、早めに内科を受診しましょう。
胸が苦しくて痰が絡むときは?
喉の奥に詰まった痰は、見た目も色もなんとも気持ちの悪いものですよね。
でもこの痰には、咳では取り除けなかった
・細菌
・ウイルス
を絡めとって外に追い出してくれる役目があるので、体にとっては大切なものでもあります。
その痰が胸が苦しい時に出る場合には、まず肺炎の可能性が考えられます。
肺炎には、ウイルスが原因の場合と細菌が原因の場合の2つがあり、原因によって痰の色が側あります。
●ウイルスが原因の場合の痰は、白っぽい色または薄い黄色
この色の痰が出た場合は、ウイルス性肺炎の可能性があります。
子どもによくみられる肺炎で、大人になるほどかかりにくくなります。
ただし、世界中で猛威を振るったSARS(新型コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群)もウイルス性肺炎の一つですので、大人だから安心というわけではありません。
●細菌が原因の場合の痰は、「濃い黄色」または「緑色に近い色」
この色の痰がでた時は、細菌性肺炎の可能性があります。
最近テレビコマーシャルなどでもよく聞くようになった肺炎球菌などの細菌が、気管を通じて肺で増殖することでおきます。
細菌性肺炎の原因は、体の免疫力の低下と言われています。
・風邪の重症化
・ストレス
・極度の疲労
などによる免疫力の低下でこの病気に感染します。
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胸が苦しくて咳が3週間続いたら疑った方がいい病気
ここまで紹介してきた病気は、風邪の症状とよく似ていることが分かりました。
でもここで紹介した病気以外でも、胸が苦しくなる病気はあります。
この時にチェックしておきたいのが、咳。
胸が苦しい症状と一緒に3か月以上咳が続いたときは、こんな病気の可能性があります。
●肺結核
結核といえば、かつて日本では「死の病」とも言われたくらい、命の危険が高い病気でした。
最近では結核の研究もかなり進み、治療薬や予防薬も開発されたことで、救命率も飛躍的に上がりました。
そうはいっても、未だに年間2,000人以上の方がこの病気で亡くなっています。
肺結核は、結核の1つですが、結核全体の8割がこの肺結核と言われるほど、結核の中では最も多い病気です。
この病気の怖いところは、重症化しないと肺結核特有の症状が出にくいということです。
初期段階では、
・胸の苦しさや咳
・痰、発熱
など風邪の諸症状が続きます。
風邪の場合長くても2週間くらいで治りますが、肺結核の場合はそれ以上続きます。
胸が苦しく、咳や痰が3週間以上続く場合は、肺結核の可能性もあります。
症状が長引く場合は、詳しい検査を受けてみましょう。
●肺がん
肺の病気で最も怖いのが、肺がんです。
肺がんが疑われる症状には、息苦しさや咳・痰があります。
特に痰に血が混じっていたり、最近ダイエットをしているわけでもないのに体重が減ったという場合は、肺がんの可能性があります。
肺がんは日本人の死因で最も多く、2010年には、なんと約7万人の人がこの病気で亡くなっています。
ですから、気になる症状があったら、早めに受診することが早期治療のカギといえます。
肺がんの発見に効果がある方法として、定期的な健康診断があります。
職場や各自治体で行われている定期健診で病気が見つかったという例も多く、早期発見・早期治療のためには効果があるといわれています。
まとめ
では、今回のまとめの方に移っていきます。
今回は胸が苦しく咳や痰がでる時の原因を中心に、様々なことをお伝えしてきました。
今回の要点を押さえると・・・
1、胸が苦しくなる病気はいろいろある
2、痰が絡むときは、色をチェック
3、咳や痰が3週間続いたら、ただの風邪じゃない
このようになります。
今回は胸が苦しくて咳や痰がでる時の原因と病気の可能性についてまとめました。
ですが他にも、今回紹介した病気以外で胸が苦しくなることがあります。
胸が苦しいと感じたらいつからその症状が出始めたのか、他にどんな症状があるのかきちんと記録しておくといいでしょう。
大切なのは症状が出たら必ず専門医の診察を受けること!
早期の治療で、体の健康を取り戻しましょうね。
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