爪床の読み方は?爪床が剥離時の治療法は?
今回の見出しにある「爪床」は、普段ではちょっと聞きなれないキーワードですよね。
しかもこれが、「剥離した時」となると、字を見ただけでもなんだか怖くなってしまいます。
今回はそんな「爪床が剥離時の治療法」について、はじめ君親子と神田先生と一緒に見ていきます。
では、早速見ていきましょう。
爪床ってなに?
爪床は、「そうしょう」と読みます。
一般的に「爪」と呼ばれている爪甲(そうこう)の裏側にある指先の皮膚のことを、爪床といいます。
爪床には、爪を安定させたり、爪に水分を補給する役割があります。
爪は皮膚組織の一部ですが、ほかの皮膚と違って爪は呼吸をしません。
そのため、普段から爪の表面は常に水分が蒸発していきます。
この蒸発によって失われる水分を補給する役割を持っているのが、爪床です。
さらに爪は、皮膚の角質が硬く変化したものです。
簡単に言ってしまえば、実際に私たちが目で見ている爪というものは、爪床の上に乗っかっている爪甲であるといえます。
皮膚には表皮と真皮の2つがありますが、皮膚組織の一部である爪床には表皮はありません。
そのため爪そのものは硬いですが、爪の内部の血管の色が目で見てもわかるくらい透けています。
普段健康な状態の爪がピンク色に見えるというのは、こういった爪の構造に理由があるわけです。
爪甲剥離症ってなに?原因とは?
爪甲剥離症は、爪が浮き上がって、爪の先の白い部分が健康な状態と比べて多くなってしまう病気です。
病名を聞くと、重大な病気のようなイメージがありますが、特に命にかかわるような病気ではありません。
ただし、自爪が弱くなったり爪が汚くなってしまうため、厄介な爪のトラブルのひとつです。
原因にはさまざまなことが考えられますが、タイプとしては先「先天性タイプ」と「後天的タイプ」の2つに分かれます。
遺伝や体質が原因となる先天性タイプは非常に稀で、大部分は病気や怪我などによって起こる後天的タイプです。
●後天的タイプの発症原因
爪と爪床の隙間に異物が入り込むことで起きる外的要因によって、爪甲剥離症が起こることが後天的タイプの発症原因として挙げられます。
棘などの細いものがうっり刺さった経験のある人も多いでしょうが、これが広範囲に及んだり何度も繰り返し起きることでも爪甲剥離症は発症します。
特にこういった原因で発症するのは、料理人や美容師など、指先で様々な作業をする人に多いと言われています。
硬い物質だけでなく
・洗剤
・マニキュア、ガソリン
などの化合物によっても、症状が現れることがあります。
カビの一種であるカンジダという雑菌が異常繁殖して、感染症を引き起こしたことがな原因となっている場合もあります。
カンジダ菌は、健康な人の体にも存在する常在菌のひとつです。
体に異常がないときには特に体に変化を起こすことはありませんが、異常に増殖すると、さまざまな症状となって体に現れることがあります。
ほかにも後天的タイプが原因の場合には、何らかの持病の治療のために服用している医薬品が影響していることもあります。
服用するだけで爪甲剥離症を発症してしまうケースもありますが、一般的には、薬を飲んだうえで爪に紫外線が長く当たることで反応し、症状が起きるケースがほとんどです。
爪甲剥離症の治療法 その1
実は、爪は剥がれやすい構造をしています。
爪床の上に乗っかった状態で存在しているのが爪甲といいましたが、その爪床は、完全にくっついているのではなく、不安定で動きやすい構造をしています。
ですから、爪甲が爪床からはがれてしまった原因を調べることが、爪甲剥離症の治療の第一歩になります。
爪甲剥離症になった時に受診するのは、皮膚科です。
皮膚科では、まず爪甲剥離症の原因として考えられるカンジダ菌の感染の有無を調べます。
検査の方法としてまず、剥がれてしまった部分の爪床の角質を採取して菌がいないかどうかをチェックします。
ただし、医師によっては爪の先端に近い部分をサッと採取するだけで済ませてしまうこともあります。
でもこれではカンジダ菌が爪の中で増殖していたとしても、手を洗うたびに流れていってしまうので、正しく菌を検出できないこともあります。
このため、剥がれた奥の方までしっかり採取してもらうことが大切です。この検査は爪の奥まで器具を入れて菌を採取するので、多少の痛みや違和感はあります。
この検査の結果、カンジダ菌が見つかった場合、抗カンジダ薬を塗ったり内服する治療を行います。
ここで行われる投薬治療では、雑菌の活動を抑えたり退治することで症状を改善することを目的としています。
そのため、医師に指示された量をしっかり飲みきることが重要です。
途中で使用を止めてしまうと、せっかく弱った菌が再び力を取り戻して活動し始めることもあるので、注意しておきましょう。
また、カンジダ菌は他人に感染することがあります。
特に、カンジダ菌は水や湿度の高い状態を好んで増殖します。
そのため完治するまでは、家族やパートナーとタオルを共用すると、二次感染につながる可能性もあります。
スポンサーリンク
爪甲剥離症の治療法 その2
怪我や化学物質の刺激が原因で爪甲剥離症となった場合は、その原因を解消することで爪甲剥離症の症状も改善します。
たとえば、洗剤やマニキュアなどの化学物質に触れたことが原因であれば、完治するまでは、これらの原因物質に触れないようにすることが症状改善に効果があります。
なお、一度発症すると、完治した後でも再発する可能性がありますので、ふだんから使う洗剤やマニキュアであっても、使用するメーカーや商品を変えるなどの対処法が必要になります。
ただし発症の原因がわからず、治療に時間がかかるケースもあります。
原因不明で発症した場合、冬になると症状が改善する傾向にあるというのが特徴ですが、春以降になると再び悪化していきます。
このような場合は明確な治療法はなく、対処療法として爪を保護する方法をとります。
残念ながら一度剥がれてしまった爪は再び皮膚とくっつくことはないので、新たに爪が生えてくるのを待つ必要があります。
そのため、症状改善・完治までに時間がかかります。
うまく原因が取り除かれて症状が治まれば、新しい爪と皮膚は癒着しやすくなります。
こうなれば、剥がれてしまった部分も、いつかは全て伸びて爪の外にでていくので、元通りの綺麗な爪に戻ることができます。
でも原因が解消されなければ、新しい爪が伸びてきてもまた皮膚から浮き上がってしまうため、いつまでも症状を繰り返してしまいます。
しかも爪が剥離すると、本来保護されているはずの爪床が外気と触れ合ってしまうため、乾燥しやすくなります。
乾燥が進むと
・肌の免疫機能や保護機能
・ターンオーバー機能
などが低下してしまうため、新しい爪の成長が邪魔されてしまいます。
この悪循環を防ぐためには、指先にハンドクリームを1日に何度も付けたり、洗剤やシャンプーなどの刺激から守るためにゴム手袋を着用するなどの対策が必要です。
まとめ
では、今回のまとめの方に移っていきます。
今回は爪が剥がれてしまったときの原因と治療法を中心に、さまざまなことをお伝えしてきました。
今回の要点を押さえると・・・
1、爪床は「そうしょう」とよむ
2、爪床は、一般的に爪と呼ばれる爪甲の下にある皮膚組織の一部
3、爪床剥離症は、感染症によっても発症することがある
4、爪がはがれたら、乾燥や刺激から爪を守ることが大切
となります。
この記事で学んだことをぜひ日々の生活に活かしてみてくださいね♪