耳の下を押すと痛い時の原因と対処法!しこりがある場合は?

 耳の下を押すと痛みをかんじた時、その原因が何かが分かるまでは、非常に不安を感じるものですよね?

しかも、痛みの部分にしこりがあるのが分かったとしたら、何か重大な病気が関係しているのではと考える人も多いはずです。

そこで今回は、耳の下を押したときに痛みを感じる場合に注目し、その原因や対処法、しこりがあった場合の原因などについて解説していきます。

では、早速見ていきましょう。

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耳の下を押すと痛いと感じたら…

耳の下を押したときに痛みを感じたら、その原因には次のようなことが考えられます。

  

中耳炎

中耳炎は、鼻から鼓膜の奥にある中耳へ細菌やウイルスが侵入し増殖することによって炎症を起こす病気です。

とくに子どもの場合、大人と比べて耳管が短く、さらに水平に近いこともあり、鼻から耳へ菌が入りやすいため、中耳炎にかかりやすいといわれています。

中耳炎にかかると、急激な痛みと腫れが起こります。

痛みは2~3日程度、腫れは1週間程度で治まります。

ただし、症状は改善しても、鼓膜の奥にある中耳では膿が溜まっているため、聞こえが悪いと感じる状態が続きます。

そのため、膿が完全に体の外に排出されるまでには1~3か月程度かかります。

 

内耳炎

耳には、外字・中耳・内耳の3つの器官がありますが、その中でも最も耳の奥に位置しているのが内耳です。

この内耳が、細菌やウイルスに感染し炎症を起こすことによって、痛みや腫れを引き起こすのが内耳炎です。

内耳炎の場合、

・めまい

・耳鳴りや難聴

といった症状が目立ちます。

ただし、急性中耳炎から発症した内耳炎や髄膜炎から発展した内耳炎の場合は、症状が異なります。

急性中耳炎から発症した場合は、耳の奥に強い痛みや激しい頭痛を引き起こす場合があります。

また、髄膜炎から発展した内耳炎の場合は、頭痛や高熱などの症状も同時に起こります。

 

 

虫歯

虫歯が原因で耳の下に痛みを感じる場合、その原因は、正確には「顎の痛みがおきたことで、あたかも耳の下が痛んでいるような錯覚が起きる」ということになります。

特に親知らずのように、耳の下に近い奥歯が虫歯になると、奥歯に伸びている神経が刺激され強い痛みを発します。

その時の痛みが、耳の下の痛みとして脳が認識してしまうのです。

虫歯が原因で耳の下に痛みを感じる場合は、やはり根本的な原因である虫歯の治療が優先されます。

歯医者に行きましょう。

 

顎関節症

顎関節症で耳の下が痛いと感じる場合、主に何か物を噛んだ時に痛みを感じるというケースが多いようです。

顎関節症が起きる原因には、生活習慣における様々な癖が原因にあるとも言われています。

たとえば、

・頬杖をつく

・片側で物を噛む

・強くかみしめ

などの癖も、顎関節症の原因として考えられます。

さらに、噛み合わせの悪さも原因に挙げられます。

ほかにも、ストレスや歯ぎしりによる睡眠障害なども、顎関節症の原因と考えられ、いずれも、顎を動かすときに耳の下に痛みを感じることが多いです。

 

また、悪い姿勢や同じ姿勢を長時間続けたことにより、身体にゆがみが出来たことで顎関節に負担がかかり、痛みを感じるというケースもあります。

このような痛みを発する顎関節症の場合、口腔外科または歯医者での治療が、有効な対処法となります。

ただし、体のゆがみが原因で顎関節症を引き起こしている場合は、整骨院または整体院での治療も、対処法としては良いでしょう。

ちなみに、顎関節症については以下の記事で詳しく解説をしています。

顎の関節が痛い原因と対処法!病院に行くときは何科に行けばいいの?

 

耳の下の痛みは「病気の感染」が原因かも?

耳の下に痛みを感じる病気の代表といえば、「おたふく風邪」があります。おたふく風邪は、医学的には「流行性耳下腺炎」といいます。

一般的には、幼少期特有の病気という認識が強いようですが、それは正しくはありません。

おたふく風邪は、年齢問わず感染します。

特に、免疫力や抵抗力が落ちていると、感染しやすいといわれています。

 

おたふく風邪の特徴

おたふく風邪の特徴は、耳の前下にある唾液腺が大きく晴れる症状が一般的に見られます。

そのため、その他の症状は風の諸症状とほぼ同じなのですが、耳の下の腫れがある場合には、おたふく風邪であると診断する大きな決め手となります。

一般的には、左右の唾液腺が同時に腫れるというのも特徴にあるのですが、中には

・片方しか腫れが見られない

・左右の腫れのタイミングがずれる

ということもあります。

おたふく風邪の場合、特徴的な症状が現れるので発見がしやすいのですが、感染しても、症状が現れず治癒するというケースもあります。

症状が現れるのは、感染者の7割程度であると考えられており、残りは、症状が現れないため、感染の有無すら築かないというケースもあるようです。

 

●おたふく風邪の原因

おたふく風邪は、「ムンプスウイルス」に感染することによって発症します。

このムンプスウイルスは、耳下腺や顎下腺に感染するのが大きな特徴にあります。

 

●おたふく風邪の潜伏期間

おたふく風邪の潜伏期間は2~3週間といわれています。その後、顔の腫れが現れます。

 

●おたふく風邪の対処法

非常に感染力が強いのがおたふく風邪の特徴であるため、感染が確認されたら自宅療法で経過を観察します。

顔の腫れは、約1週間でひき、腫れが収まれば感染の可能性はほぼなくなります。

 

●おたふく風邪が本当に怖いのは合併症の多さにある!

実は、おたふく風邪が本当に怖いのは、命の危険や後遺症の可能性がある合併症を引き起こしやすいという点にあります。

おたふく風邪が原因で起きる合併症には、次のようなものがあります。

 

髄膜炎

おたふく風邪の合併症のうち、全体の10%に見られるのが「髄膜炎」です。

髄膜炎とは、脳の周りにある髄膜が炎症を起こすことによって、激しい頭痛や嘔吐などの症状を引き起こす病気です。

このような症状が現れたら、速やかに医療機関を受診してください。

 

脳炎

おたふく風邪の合併症のうち、全体の0.2%に見られるのが「脳炎」です。

この脳炎は、完治しても、その後にてんかんや発達障害などの後遺症が残る可能性があります。

 

その他にも、こんな事例が…

おたふく風邪の合併症の中では珍しいケースではありますが、おたふく風邪が原因で難聴を引き起こすというケースもあります。

また、成人がおたふく風邪に感染した場合は重症化しやすいといわれています。

男性の場合は「精巣炎」「精巣上体炎(睾丸炎)」「無精子症」、女性の場合は「卵巣炎」の可能性があるといわれています。

さらに、妊婦が妊娠初期でおたふく風邪にかかると、「流産の危険性が高まる」といわれています。

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耳の下が痛くてしこりが出来ていたら?

耳の下の痛みには、様々なことが原因に考えられるということはわかりました。

でも、もしもその痛みにしこりが出来ていることが分かったら、どんなことが原因だと考えられるのでしょう?

 

耳の下が痛くて「しこり」が出来るときに考えられる原因

耳の下に痛みを感じるしこりが見られた場合には、「耳下腺腫瘍」の可能性があります。

耳下腺腫瘍が起きる原因は、現在のところは明確にされていません。

耳下腺腫瘍で見られるしこりには、「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の2つがあります。

 

耳下腺腫瘍の「良性腫瘍」とは?

耳下腺腫瘍でも「良性腫瘍」の場合、実はしこりにあまり痛みは感じません。

また、耳の下だけでなく顎の下にもしこりが出来ることがありますが、こちらも痛みを感じることはほとんどありません。

そのため、しこりに気が付きにくいという点があります。

良性腫瘍の場合は、手でしこりの部分をつかむと、上下左右にしこりが移動します。

 

耳下腺腫瘍の「悪性腫瘍」とは?

耳下腺腫瘍で「悪性腫瘍」の場合は、しこりに痛みを感じます。

また、顔面神経麻痺がおこるケースも多いです。

悪性腫瘍の場合は手でしこりの部分をつかんでも、良性腫瘍のようには動きません。

また、しこりのサイズも、どんどん大きくなります。

 

耳下腺腫瘍の対処法

耳の下に腫瘍を発見したら、自己判断せず、早めに耳鼻咽頭科を受診しましょう。

悪性腫瘍であっても、腫瘍が小さい段階で摘出すれば、術後の傷跡も目立ちにくく、顔面神経麻痺などのような症状を抑える可能性も出てきます。

 

治療方法は?

耳下腺腫瘍の場合は、良性・悪性問わず、腫瘍の摘出が治療の中心となります。

これは、耳下腺腫瘍の場合、放射線療法および化学療法の効果が出にくいという特徴があるからとされています。

良性腫瘍の場合は、顔面神経を温存する手術が主な方法になります。

悪性腫瘍の場合、腫瘍の摘出が最優先とされるため、場合によって顔面神経を切除することもあります。

 

まとめ

耳の下に痛みを感じるというだけでも、様々な原因が考えられることがわかりましたが、同じようにしこりがあった場合でも、その原因や対処法には様々なものがあるということがわかりました。

あなたが今感じている症状の原因によっては、相談すべき専門医の種類も異なってきます。

ですから、まずは気になる症状の原因を探るということが、症状改善の第一歩ということになるでしょう。

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