わかめを消化できない?消化不良になることはあるの?

日本人にはなじみの深い「わかめ」。

お味噌汁の具から、サラダ、若竹煮・・と、わかめを使った料理の数も豊富です。

美容や健康にも良いとされているわかめですが、「わかめは消化できない」「わかめを食べると消化不良を起こす」といった言葉も聞こえてきます。

ここでは、わかめの栄養素なども見ながら、本当に消化不良の原因になってしまうのかなどを、徹底的に解明していきたいと思います。

では早速見ていきましょう。

スポンサーリンク

わかめの栄養は?体にどんな効果があるの?

食材としてのわかめの歴史は古く、なんと縄文時代にまでさかのぼれるのです。

わかめを含む海藻の食物遺存体が縄文時代の遺跡から発見されていますので、この時代から食されていたことが明らかになっています。

それだけ昔から親しまれていたわかめですから、きっと素晴らしい栄養素を持っているに違いありませんよね。

ここではまず、「わかめの栄養素」をしっかりとみていってみましょう。

 

わかめの栄養効果ってどんなのがあるの?

わかめの栄養、と言われてパっと頭に浮かぶのは「ミネラル」なのではないでしょうか。

血液をサラサラにする役割を持つミネラルを多く含んでいるのも、わかめの特徴です。

しかし、わかめの栄養で、特筆すべきは「ヨウ素」なのです。

・精神を安定させる

・心身共に健康にする

という役割を持つヨウ素が、わかめには豊富に含まれているのです。

更に、血圧降下作用に役立つカリウムも含んでいます。

また、わかめと言うと、あの独特な「ぬめり」も特徴的です。

あのぬめりは、実はアルギン酸というもので、食物繊維に分類されるものなのです。

アルギン酸は、小腸に届いた時に、ナトリウムと結合し、余分なナトリウムを体外に排出する事で、高血圧を防いでくれる働きをしてくれるのです。

更に、余分なコレステロールの排出も促しますので、高脂血症や動脈硬化の防止にも役立つのです。

 

わかめの効果的な食べ方は?

わかめに含まれるヨウ素は、油と一緒に摂取すると吸収率が上がると言われています。

味噌汁にするときは、ごま油を数滴プラスしてあげるのがよいでしょう。

風味が増して、薬効も増すと言われています。

また、酢と組み合わせることによって、血圧やコレステロールを下げる効果が期待できると言われているので、酢の物として食卓に提供するのも良いのではないでしょうか。

いかがでしょうか。

わかめにはかなりの栄養が含まれている事がわかりましたね。

しかし、これだけ栄養満点なわかめでも、消化できなければ意味がありません。

次の見出しでは、本当にわかめは消化できないのかを考えて行きたいと思います。

 

わかめが消化できないと言われる理由

実は、わかめを始めとする海藻類を「常食」としている国は少ないのです。

海藻を食べる、という習慣自体はアイルランドやロシアにもあるのですが、「常食として海藻を食べる国」となると、その数は極端に減ります。

日本人の常食として海藻が挙げられるのは、やはり「わかめ」の存在が大きいです。

わかめは、日本近海で繁殖している海藻だという事はご存知でしょうか。

日本以外にわかめが獲れる環境がなかった為、海外では「わかめを食べる」という文化が育ちにくかったのですね。

そして、この「日本人はわかめを食べる文化がある」「海外ではわかめを食べる文化があまりない」という事が、「わかめは消化できない」と言われる原因になっています。

 

日本人だけがわかめを消化できる?!

我々日本人は、昔から「海藻を食べる」という食文化を持っていました。

そのため、腸内に海藻を消化吸収することのできるバクテリアを持っているという事を、フランスの研究チームが証明したのです。

日本人は8世紀にはすでに海苔を食べていたことが証明されていますが、かつては海苔を焼かずに生のまま摂取していたため、海藻に住んでいたバクテリアから、この遺伝子を受け継いだと考えられているそうです。

このバクテリアは日本人からしか発見されていない為、日本人以外がわかめや海苔などの海藻類を食べると「消化できない」「消化不良を起こす」と言われているようです。

 

わかめが消化できない理由

わかめや海藻を大量に食べた翌日に、排泄物にその原型が混じっていると「消化されていないんだ」と思ってしまう方も多いかと思います。

どうしてこのような事がおこるのかというと、わかめの表面を覆っているぬめりのアルギン酸が原因なのです。

最初の見出しで解説したように、アルギン酸は「食物繊維」に分類されます。

そして、食物繊維は人間の体では消化する事のできないものなのです。

そして、消化できないからこそ、体に役立つ一面も持っています。

アルギン酸は水溶性の食物繊維に分類されるので、便秘の解消に効果が高いと言われています。

如何でしょうか。

びっくりするような内容ですが、昔からの食生活の環境によって「消化できる・できない」という事象が出てくるのですね。

確かに、我々日本人の小さな子供は、キムチなどの辛い物を食べる習慣はないけれど、お隣の韓国では小さな子供も常食としてキムチを食べます。

それと同じことなのかもしれません。

そして、消化できずに、そのまま便として出てしまう事から「消化不良」と思われてしまうようです。

スポンサーリンク

 

消化と吸収は違う?

とうもろこしや、わかめを食べた翌日に、排泄物にそれらの原型が見えてしまうと「ああ・・消化できていないんだ」と考える方は多いです。

消化が出来ていないイコール消化不良と考える方も多いのですが、これは実は少し勘違いが入っています。

消化不良とは、暴飲暴食などがたたって、「消化できるはずのものが消化できない」事をいいます。

ところが、わかめを覆っているアルギン酸は、もともと人間が消化する事のできない食物繊維です。

消化できていないという事は、せっかくのわかめの栄養素もとれていないのでしょうか。

ここでは消化と吸収の違いをみていってみましょう。

 

わかめの栄養素はしっかりと吸収されている?

前述の通り、日本人にはわかめなどの海藻類を消化する力のあるバクテリアが腸内に住んでいます。

そして、わかめなどの海藻を食べることの少ないアメリカ人などの腸内には、このバクテリアは存在しないと言われています。

では、消化する力がなければ、わかめは全く消化できず、栄養素も全く摂取できないかと言うと、それは違います。

わかめなどの海藻類をよく噛んだり、食品加工されたりすることでわかめの細胞は破壊され、栄養は出てきますので、しっかりと体に吸収することはできるのです。

 

それでもやっぱりわかめは消化に悪いの?

わかめなどの海藻を消化する過程において、消化する力のあるバクテリアがいるかいないかということは大きな発見にはなっています。

しかし、いくら消化する力が強いとは言っても、アルギン酸という豊富な食物繊維に守られているわかめですので「消化しにくい」のは事実です。

わかめなどの海藻類を食べる時は、しっかりと噛んで食べる事をお勧めします。

しっかりと咀嚼することで、胃もたれなどを引き起こすリスクを軽減できます。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

日本人独特の消化吸収がある事がわかった「わかめ」です。

日本人には先祖から受け継いできた、ありがたいバクテリアがある事もわかりましたので、その効果を最大限に活かしていきたいですよね。

わかめは味噌汁や酢の物など、日常生活に取り入れやすい食材ですので、是非これからも積極的にその栄養を貰っていってください。

その際には、しっかりと咀嚼する事も、忘れずにお願いしますね。

スポンサーリンク

 

サブコンテンツ

このページの先頭へ