生理がこない?妊娠以外で考える理由と原因、対処法とは?
生理がこないと、最初に思いつくのが「妊娠の可能性」
そして、その可能性がなくなったら、次に頭に浮かぶのが、「女性特有の病気」
特に怖いのは、最近若い女性の間でも増えているといわれている、あの病気です。
今回の流れ
生理がこない時ってどういう時?
まずは、妊娠以外に考えられる病気について知る前に、今のあなたの状態が、「正常な範囲なのか」「異常なのか」を調べてみることが大切です。
生理がこなくても正常な範囲って?
生理の周期には、正常な範囲と異常な範囲があります。
とはいえ、無月経と希発月経は明確な定義の境界線があるわけでもなく、専門医であっても判断が難しいとされています。
ですから、生理がこないことに気が付いたら、自己判断せずに婦人科で原因を調べてもらうようにしましょう。
●正常な範囲
正常な範囲として考えられているのは、25~38日周期です。
●頻発月経の範囲
生理周期が、24日よりも短いことを言います。
頻発月経は、月経異常の1つとされています。
場合によっては、1か月に2度生理が来ることもあります。
●希発月経
生理周期が、39~90日未満のことを言います。
希発月経だと、生理の間隔が長いため、場合によっては1年に数回しか生理がこないこともあります。
●無月経
90日以上生理がこない場合は、無月経と診断されます。
■無月経の危険性
無月経にも2種類ありますが、精神的なストレスや過度のダイエット、過食、拒食が原因で起きる無月経は「続発性無月経」といいます。
続発性無月経は、これらの原因によって視床下部が機能不全を起こすことで、症状が現れてきます。
残念ながら、「生理がこない」という以外の自覚書状がほとんどないのも、続発性無月経の特徴にあります。
治療には、原因に応じて行われるのが一般的ですが、無月経の状態で自然妊娠の可能性は極めて低くなるため、適切な治療を行うことが大切になります。
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生理がこないのは病気なの?
3か月以上生理がこない状態が続くと、生理周期に問題があると考えられますが、体質によっては、
・卵胞の成長に時間がかかる
・39日以上周期が空いても排卵を伴う生理がリズム通りに来る
という場合は、それほど心配することはありません。
ただし、「だんだん間隔が長くなってきた」「急に周期が乱れるようになった」という場合は、排卵に何らかの影響が出て、症状があらわれていることが考えられます。
多嚢胞性卵巣症候群
卵巣内で成長した卵胞が、上手く排卵できず卵巣内にとどまってしまう病気です。
病気発祥の原因は今のところはっきりとしていませんが、
・無排卵月経
・希発月経
・無月経
を引き起こす原因となる可能性もあります。
早期閉経
最近では、30代でも早期閉経になるケースが増えてきています。
早期閉経も希発月経の原因の一つです。
早期閉経は、「完全に閉経する前に、生理周期が長くなる」というのが一般的な特徴です。
みんなはどうなの?
希発月経と思われる程の間隔があくと、やはり婦人科を受診する人が多いようです。
特に、早めに妊娠したいという女性の場合は、生理予定日から1週間ほど後に妊娠検査薬で判定を確認したうえで受診をするというケースが多いようです。
希発月経を治療するとしても、専用の検査を行い、何が原因で症状が起こっているのかを突き止める必要があります。
検査によって排卵が認められれば、経過観察のみという場合もありますし、本人の希望で妊娠を強く希望する場合は、排卵誘発剤などで生理周期を整える治療を行う場合もあります。
生理がこなくて不安な時に今日からでもやっておきたい対処法
「生理がこない」「生理修理が乱れる」という場合、専用の検査や治療が必要なことも多いものです。
さらに、治療の成果が出て症状が改善されるまでは、時間がかかることも多く、精神的にも不安定になりやすいものです。
だからこそ、不安を少しでも解消するために、今日からでもやっておきたい対処法があります。
栄養バランスの良い食事を心がける
生理不順の女性に多いのが、栄養が偏った食事。特に10~20代前半の若い女性の場合は、
・食事制限
・ダイエットサプリが中心の食事
など、食事のバランスが偏っていることが多いのが特徴です。
栄養が偏ってしまうと、脳は生命維持のために必要な機能を優先するよう、全身に指示を出します。
そうなると生殖機能は、生命維持の優先度としては低くなりますから、機能としても低下してしまいます。
これによって、生理に関係するホルモンのバランスが乱れ、生理周期に大きな影響を及ぼしていきます。
十分に睡眠をとる
不安なことがあると、どうしても眠れないという日も出てくるでしょう。
ですが、睡眠不足が続くと、ホルモンバランスに影響を及ぼす自律神経のバランスが崩れていきます。
こうなると、精神的にも肉体的にも支障が現れ、結果として生理周期が乱れてしまいます。
体を温める
体が冷えた状態が続くと、自律神経が乱れてきます。
さらに血行が悪くなると、肩こりなども引き起こし、吐き気や頭痛など、別の症状を引き起こす原因にもなります。
こうした不快な症状が重なると、精神的にもダメージが溜まり、これによって自律神経が乱れ、生理周期にも影響が出てしまい、「結果といて生理がこない」ということになってしまうのです。
10代ほど生理がこないことに敏感にならなくちゃいけない
10代というと思春期にあたるため、身体も成熟もまだ完成していなかったり、精神的なストレスに過剰に反応しやすい年齢であるということもあり、生理の周期が乱れることがよくあります。
でも、この時期に起きる生理不順は、将来、妊娠を考えたときのためにきちんと原因を調べておいた方が良いものもあります。
10代で生理がこなくなる時に考えられる主な理由
10代の女の子の生理不順は、主に生活上の問題や精神的な問題が深く関係しています。
●ストレス
勉強や恋愛、友人関係以外にも、様々なことで生理不順が起きます。
たとえば、「受験までのあと少し」「片思いの彼のことを考えて眠れない」「部活の後輩の指導で悩む」などの理由であっても、心が大きな負担を感じて悲鳴を上げていることもあります。
ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れますから、生理がこないことにもつながっていきます。
●生活習慣の乱れ
ファーストフードやお菓子が中心の食生活や、睡眠不足、運動不足などは、生理習慣が乱れるだけでなく、生理の量が多くなったり生理痛がひどくなる原因にもなります。
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10代でも病気が原因で生理がこないことがある
年齢が若いからといって、生理が遅れる理由のすべてが生活上・精神的な問題とは限りません。
特に、身体が成長している過程にある思春期ですから、放置しておくと大変なことになる病気もあります。
●妊娠
初潮を迎えれば、女性の体は妊娠が可能な状態にあります。
性交後、生理が全く来ない場合は、妊娠の可能性があります。
また、妊娠の不安から過剰にストレスがかかると、妊娠はしていなくても、そのことが原因で生理不順が起きることもあります。
●甲状腺異常
甲状腺の異常が原因で、生理不順が起こることがあります。
この場合、「甲状腺機能低下症」が考えられます。
甲状腺機能低下症では、甲状腺を刺激するホルモンが分泌されることによって、身体が妊娠している状態に近くなります。
そのため、身体は妊娠していると勘違いしてしまい、生理が止まってしまったり生理不順を起こしたりします。
甲状腺機能低下症の場合は、妊娠をしていなくても母乳が出ることがあります。そのような症状が出た場合は、専門機関を受診するようにしてください。
●卵巣機能不全
卵巣の機能が低下することによって、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れることに生理不順が起きることがあります。
卵巣機能不全は、「卵巣機能低下症」とも呼ばれます。
●卵巣嚢(のう)腫
卵巣にできる腫瘍のうち、悪性でない腫瘍を総称したのが、「卵巣嚢腫」です。
卵巣嚢腫には、
・漿液性(しょうえきせい)嚢腫
・粘液性嚢腫
・皮様性嚢腫
・チョコレート嚢胞(のうほう)
の4つがあります。
チョコレート嚢胞以外の卵巣嚢腫の原因は、今のところよくわかっていません。
ただ、ストレスや交感神経の緊張も、原因の一つと考えられています。
●子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮を形成する筋肉の細胞が、何らかの原因によって増えてしまう良性の腫瘍のことを言います。
30歳以上の女性の約20~30%が子宮筋腫を経験しているというだけに、女性にとっては決して珍しくない病気といえます。
子宮筋腫はほとんどの場合、良性腫瘍のままですので、過度に不安を感じる病気ではありません。
ただし、子宮筋腫が大きくなることによって不妊の原因となったり、出産時のリスクが高まることはあります。
●子宮内膜症
20~40歳に多く見られる子宮内膜症は、本来、子宮内にあるはずの子宮内膜組織が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。
そのため、不妊の原因になると考えられています。
子宮内膜症の検査も様々な種類のものがあるため、早期発見・早期治療が見込める病気です。
●子宮内膜ポリープ
子宮内膜から内側に向かって突き出た腫瘍のことを、子宮内膜ポリープといいます。
大部分は良性ですが、稀に悪性のものが見つかることもあります。
子宮内膜ポリープは、自覚症状が乏しいという特徴があります。
また、発症しやすい年齢も40~50歳代と高く、加齢とともに増える傾向があります。
●悪性腫瘍
子宮がん、子宮頸がん、卵巣がんなども、生理不順や無月経を引き起こすことがあります。
症状の特緒に、おりものの変化があります。
・おりものの量が増加した
・おりものに悪臭がする
という場合は、重大な病気の可能性もあります。
早期治療によって完治することもできますから、生理周期が長くなる以外にも気になるおりものの変化を感じたら、早めに受診をするようにしましょう。
まとめ
妊娠以外でも、様々なことが原因で生理がこなくなることがあります。
病気が原因で起きる生理不順もありますが、様々な変化に影響されやすい女性ホルモンが生理には深く関係しているだけに、普段の生活を見直すことで改善が期待できるものもあります。
生理がこないことに不安を感じることが、かえって生理不順を引き起こしてしまうこともありますから、気になる場合には、専門医を受診して原因をしっかりと見つけることも大切です。
また、おりものが多い人は、以下の記事も読んでおくことをオススメします。