耳の裏が痛い?腫れやしこりがある時はどうする?
耳の裏に痛みを感じた時、その原因が何かが分かるまでは、非常に不安を感じるものですよね?
しかも、腫れやしこりがあるのが分かったとしたら、何か重大な病気が関係しているのでは?と考える人も多いはずです。
そこで今回は、耳の裏に痛みを感じる場合に注目し、その原因や対処法、腫れやしこりがあった場合に考えられる原因などについて解説していきます。
では、早速見ていきましょう。
今回の流れ
耳の裏が痛いときに考えられる病気
耳の裏が痛いときには、「後頭神経痛」「緊張型頭痛」など様々な病気の可能性があると考えられます。
後頭神経痛
耳の後ろから頭頂部にかけて、ズキズキとした痛みが起きるのが特徴です。
この痛みは、後頭神経が刺激されたことによる痛みだと考えられているため、「後頭神経痛」と呼ばれています。
■原因
原因には様々なものがありますが、主にストレスや過度の疲労が原因で発症すると考えられています。
ほかにも、ビタミンなどの栄養不足や貧血などの可能性なども考えられます。
■痛みの特徴
痛みの症状にも様々なレベルがあります。
ズキズキとした鈍い痛みを訴えるケースも多いのですが、深刻な状態になると、電気が走るようなビリビリと響く激痛を訴えるケースもあります。
■対処法
最も効果があるのは、心と身体のリフレッシュです。
ストレスや疲れが主な原因ですから、十分な休養を取ることが良いと考えられます。
ただし、「症状が改善しない」「痛みが我慢できない」という場合は、病院での治療をおすすめします。
病院では、鎮痛剤やブロック注射による治療を受けることが出来ます。
また、ビタミンの不足が発症に関係しているとも言われているので、積極的に栄養補給を行うということも場合によっては効果的でしょう。
緊張型頭痛
緊張型頭痛の場合、ストレスや筋肉の疲労が原因で起きると考えられています。
痛みは、締め付けられるような鈍い痛みが続くというケースが多いです。
他にも、めまいを感じたり、痛みが長期にわたって続くというのも特徴にあります。
■対処法
長時間同じ姿勢を続けることによって筋肉疲労を起こしていることも原因と考えられていますから、まずは筋肉をほぐしリラックスをするということが大切です。
それには、入浴が効果的です。
入浴によって筋肉のこわばりを解消し、血行を良くすると、頭痛解消に効果が期待できます。
また、ゆっくりと入浴すれば、精神的にもリラックスしますから、緊張型頭痛の解消には効果が期待できます。
■痛みが我慢できない場合は…
頭痛であっても我慢できない場合は、早めに病院で診察を受けるようにしてください。
我慢することによっても、ストレスはかかってきます。
痛みの解消には、鎮痛剤も効果がありますから、まずはかかりつけの内科医に診断してもらうというのもよいでしょう。
ほかにも、神経外科や頭痛外来、耳鼻咽喉科を受診するのもおすすめです。
ちなみに緊張型頭痛に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
→緊張型頭痛の原因は何?対処法などについても解説!【医師執筆】
その他、耳の裏が痛いと感じる時の原因
ほかにも、次のような原因から耳の裏が痛むということが考えられます。
中耳炎
鼓膜の内側にある「中耳」が、細菌やウイルスによって炎症を起こしたことで痛みが起きることがあります。
中耳炎が原因で痛みが急に襲ってきた場合は、痛みを感じる部分を冷やすということも症状改善に効果があります。
顎関節症
顎が歪んだり顎の左右の筋肉のいずれかに極端な負荷がかかってしまうと、顎関節症を引き起こし耳の裏が痛むということが起きる可能性があります。
「口を開けた時に痛みを感じる」「音がする」「口が開かない」などの症状が起きた上で耳の裏が痛い場合は、顎関節症である可能性があります。
慢性化しやすく、放置しておくと日常生活に支障が出る可能性があるため、早めに医師の診断を受け治療を行うということが大切です。
受診する場合は、口腔外科または歯科となります。
顎関節症については、以下の記事で詳しく解説をしています。
→顎の関節が痛い原因と対処法!病院に行くときは何科に行けばいいの?
髄膜炎
脳や脊髄を保護する「髄膜」が、ウイルスや細菌によって炎症を起こすのが「髄膜炎」です。
本来は体がもつ免疫力によって、体に細菌やウイルスが侵入しても繁殖できません。
しかし、風邪や疲労などによって体の抵抗力が落ちた状態では、血液中で細菌が繁殖してしまい、繁殖した菌が髄膜まで到達し、髄膜炎を引き起こすと考えられています。
髄膜炎の特徴は、
・激しい頭痛と38℃以上の高熱
・嘔吐
・首が回りにくい
といった症状も引き起こします。
これらの症状は風邪の症状と非常に似ているのですが、髄膜炎の場合、首が突っ張ったまま固くなってしまうため、首を曲げてうつむくことが出来ないという点に違いがあります。
ですから、風邪と同じ症状であっても首が回らないという症状が現れた場合は、髄膜炎の可能性を疑って、早めに病院を受診するようにしてください。
耳の裏に現れる症状には注意が必要です!
耳の裏が痛いと感じる場合だけでも、様々な原因が考えられます。
耳の裏に違和感があった場合は、手で触って痛みの部分に腫れやしこりなどの症状がないか、確認してみましょう。
痛みだけでなく、腫れやしこりといった症状が耳の裏に現れた場合、さらに別の原因が考えられる可能性があります。
次の見出しでは、腫れやしこりがある場合に考えられる原因について解説していきます。
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耳の裏が痛くて「腫れ」を感じたら…
耳の裏に痛みがあり、さらに痛む部分が腫れていたら、その症状には次のような原因が考えられます。
耳の裏が痛くて「腫れる」原因は?
耳の裏が痛くて腫れたときは、まずはリンパが腫れている可能性を考えてみましょう。
耳の裏は、リンパ管が集中している部分です。
リンパ管は血管より細いのですが、リンパ管が集まっているリンパ節は炎症を起こしやすいため、腫れたりしこりが起きやすくなります。
リンパ節って何?
リンパ節とは、リンパ管の中にある節の部分です。
もともと、血液から染み出たものから作り出されたのがリンパ液であり、このリンパ液が前身をめぐるために使う管が「リンパ管」です。
リンパ節は、このリンパ管の中で、ろ過機能をはたしています。
全身をめぐる中で拾ってきた老廃物や雑菌を、リンパ節で漉し取り、体の外へ排出します。
この機能が正常に働いているおかげで、体の中は常に清潔であり、体に侵入しようとする雑菌に対する免疫力も高めることが出来るのです。
リンパ節が腫れる原因
一般的にリンパ節が腫れるのは、体内に侵入しようとした様々な菌に対する免疫反応によっておこる炎症が原因であると考えられています。
そのため、風邪をひくと首周辺のリンパ節が腫れたり、虫歯や歯周病がひどくなると、顎の下のリンパ節が腫れるということがおこります。
このようにリンパが腫れている場合は、なにが原因で起きているのかを突き止めなければ、適切な治療を受けるための専門医が分からないということになってしまうのです。
リンパが腫れている時に考えられるのは…
耳の裏のリンパが腫れていた時に考えられるのは、「リンパ節炎」です。
リンパ節炎の特徴
リンパ節炎の場合、耳の後ろにあるリンパが腫れます。
この時、耳の後ろのあたりから後頭部にかけて鈍い頭痛を感じるのが特徴として挙げられます。
ただし、全く痛みを伴わないケースもあります。
リンパ節炎で気を付けること
風邪をひいた時のように、菌やウイルスが侵入してきたことへの抵抗によって炎症が起こると、リンパ管が腫れてリンパ節炎を引き起こすと考えられます。
ですから、風邪の症状が改善されれば、リンパの腫れも治まります。
ですが、
・風邪の症状が治っても腫れが引かない
・耳の裏のリンパ管が良く腫れる
という場合は、別の理由によって晴れの症状が起きている可能性もあります。
この場合は、耳鼻科が専門となりますので、こちらを受診するようにしてください。
耳の裏が痛くて「しこり」が出来るときに考えられる原因
耳の裏のしこりで考えられるものには、次のようなものがあります。
痛風
通常、痛風のしこりは足の指の付け根や足首、肘関節などにできやすいといわれています。
しかし、稀に耳の裏や耳たぶにもできることがあります。
痛風が原因でしこりが出来た場合の対処法は、やはり原因である痛風を治療するということが大切になります。
肉芽
ピアスを装着している人に多く見られるのが、肉芽です。
人の体は、異物が体の中に侵入した場合、これを排除しようとする免疫機能が働くようになっています。
この異物には、病気であれば細菌やウイルスなどが考えられますが、ピアスも同じように人間の体にとっては異物となります。
ところが、ピアスの場合は意図的に体内に一時的にとどめているものですから、体がもつ免疫機能がいくら働いたとしても、体の外に排出することはできません。
その時に起こるのが、肉芽です。
排出できない異物に対し、人間の体は、異物を隔離して体の内側への侵入を阻止しようとします。
そのため、ピアスの周辺にしこりが出来るのです。
肉芽の対処法としては、
・ピアスの種類を変える
・ピアスを装着しない
という方法が考えられます。
また専門医による治療を希望する場合は、皮膚科または形成外科を受診します。
悪性リンパ腫・悪性腫瘍
耳の裏にできるしこりで怖いのは、悪性リンパ腫または悪性腫瘍です。
この2つは、早期発見・早期治療が求められる病気ですが、しこりに痛みを感じないのが特徴のため、発見しにくいという特徴があります。
ただし、この2つが原因でしこりが出来た場合は、しこりが徐々に大きくなるという点に特徴があります。
ほかにも、
・食欲が減退し体重が急激に落ちた
・倦怠感や発熱
などの症状があらわれることがあります。そのため、このような症状が見られた場合は、放置せずに早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。
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耳の裏にできるしこりには他にも原因があるの?
耳の裏にできるしこりの中には、痛みが伴わないものもあります。
痛みを感じないしこりで、耳の裏にできることが考えられる病気といえば、「ガングリオン」があります。
ガングリオンは、腫瘍の一種ですが、「良性腫瘍」です。
ガングリオンの特徴は、「痛みを伴わないしこりが現れる」ということです。
ガングリオンのしこりの大きさは、一般的には2~3㎝のサイズです。
骨が飛び出してきたように見えるため、しこりを見つけた瞬間は驚く人が多いです。
しこりの内部にはゼリー状の液体が入っていますので、触ると弾力があるように感じます。
このガングリオンは、耳の裏以外にも、手の甲や指、膝、足の甲などによくできる腫瘍ということが知られていますが、その他の部位でも出来る場合があります。
痛みはありませんが、足の甲のように靴や靴下などに直接触れる可能性がある部位の場合は、擦れた痛みを感じることがあります。
この時も、しこりそのものが痛むというのではなく、皮膚がすれて痛むという表現の方が正しいといえます。
基本的には自然治癒でよいのですが、日常生活に支障が出る部位の場合は、病院で注射による吸引治療やレーザー治療を受けることもできます。
もしかしたら、アテローム(粉瘤)かも?
同じように良性の腫瘍なのですが、耳の裏にしこりが出来る可能性がある病気として、「アテローム(粉瘤)」があります。
アテロームは、本来体の外に排出されなければいけない老廃物や角質が充満した袋状の物を言います。
この袋そのものが、角質を作る細胞でできているため、袋の中の内容物が徐々に増えていくのが特徴にあります。
基本的には命の危険がある腫瘍ではありませんから、そのまま気になる大きさになるまで放置するというケースもよくあります。
治療の方法としては、手術によってしこりとなった袋をすべて摘出するという方法が取られます。
内容物のみ切開によって取り出しても、必ず再発するため、治療には全摘出が必要となります。
耳の裏や顔、頭部にできた場合は、術後のことも考えて、小さいしこりのうちに除去手術を受けることを勧められる場合もあります。
まとめ
耳の裏は様々なことが原因で、
・痛みや腫れ
・しこり
を起こしやすい部分といえます。
特に痛みを感じる場合は、耳が原因であることも考えられますが、その他にもストレスや疲労、顎関節の異常などが原因である場合もあります。
まずは、耳の裏に感じる異常をよく観察し、痛みの有無やしこり、腫れの確認などをしたうえで、症状の原因を特定することが、症状を早く改善させるために大切であるといえるでしょう。