アボカドが茶色で腐った?その見分け方や賞味期限を分かりやすく!
「森のバター」として名高く、そのヘルシーさと美容効果の高さから「食べる美容液」との評判も高い「アボカド」。
サラダやディップとして女性を中心に人気があります。
もともとは「鰐梨(わになし)」と呼ばれていましたが、40年ほど前から英語名称の「アボカド」で市場に多く流通し始めました。
一見野菜なのか果物なのか迷う外見をしているアボカドですが、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木に実る果実なので、「果物」に分類されます。
美味しいアボカドの見分け方としては皮が緑色のものよりも、熟して皮が黒っぽくなった方が美味しいと言われていますよね。
この辺については、以下の記事で詳しく解説をしています。
→美味しいアボカドの選び方とは?食べごろはいつ頃なの?
しかし、この「黒っぽい」というのが意外と曲者。
実は、「熟しているのか腐っているのか見分けがつかない」という声も多いのです。
ここでは、アボカドの賞味期限や、腐っているのかどうかの見分け方などを、しっかり解説していきます。
では、早速見ていきましょう。
今回の流れ
アボカドに茶色い筋?!
スーパーから買ってきたアボカドを包丁でカットしたら、クリーミーな黄緑色の果肉の中に、ミミズのような黒っぽいような茶色っぽいような筋がいくつもあった・・・。
そんな経験をした事はありませんか?
あの筋っぽいものは、ゴミではないようだけれども、明らかに柔らかそうな果肉とは違ってみえるので、何となく気持ち悪く感じてしまいますよね。
ここでは、あの茶色っぽい筋の正体をしっかり解説していきます。
茶色の筋は血管?!
アボカドをカットしたら、無数に現れる茶色い筋。
気持ちが悪いので、ついつい取り除いてしまいたくなります。
しかし、あの量の筋を取り除くとなると、結構な手間ですし、何より食べる部分がかなり少なくなってしまいます。
実はあの筋は、食べても平気なものなのです。
アボカドの果肉部分に現れる黒っぽいような茶色っぽいような筋は、人間に例えると血管のようなもの。アボカドの種に、栄養や水分を送るための「維管束(いかんそく)」という組織なのです。
この維管束は、果肉に比べると非常に酸化しやすい特徴を持っています。
つまり、繊維管が酸化して黒くなったものが、アボカドに現れる黒っぽいような茶色っぽいような筋なのです。
アボカドに黒っぽい筋が出来る理由
スーパーで買って来たアボカドに、この茶色っぽい筋が出ていたらガッカリしてしまいますよね。
なぜ、茶色い筋がでてしまうかと言うと、茶色い筋の多いアボカドは追熟がうまくいっていなかったり、熟しすぎてしまったりしているのが理由だと言われています。
茶色くなるのは、果肉に含まれているポリフェノールとフェノール酸化酵素が空気に触れてメラニンが生成されてしまうからです。
メラニン自体は無害なので、食べても大丈夫・・という事になるのですね。
アボカドに現れる無数の茶色っぽい筋は、食べても無害だという事がわかりました。
そうは言っても、やはり食べた時に筋っぽさを感じる事はありますので、見た目の問題なども含めて「生理的に無理」と感じる方には、別のアボカドを使う事をオススメします。
アボカドの果肉が茶色く変色している?!
アボカドをカットしてみたら、果肉の部分が変色していた!という事も時々ありますよね。
これは、アボカドが腐ってしまったということなのでしょうか。「ちゃんと冷蔵庫で保管していたのに!」という声も多く聞きます。
しかし、実はこのアボカドの保存方法が、果肉部分の変色に大きく影響している事があるのです。
ここでは保存方法が影響するというのは、どういうことなのかを、ご紹介していきましょう。
アボカドは寒さに弱い
アボカドは、主要原産国がメキシコという比較的暖かな国のせいか「寒さに弱い」という特徴を持っています。
具体的な数字を出すと、アボカドは気温が5℃以下の環境になると「低温障害」をおこしてしまい、果肉部分に変色がでてしまうと言われています。
一般家庭にある冷蔵庫の温度は、だいたい5℃ですので、アボカドにとっては低温障害を起こしやすい温度になっています。
野菜室でも約3℃~5℃の開きがありますので、アボカドを冷蔵庫で保存するときは、十分な注意が必要になってきますね。
アボカドは暑さにも弱い?!
アボカドは樹木になっている状態では、柔らかくならないと言われています。
収穫された瞬間から熟成が始まって柔らかくなっていくのです。
これを「追熟」といいます。アボカドを食べごろにするための追熟の温度は14℃~24℃くらいが適切です。
こちらも少し専門的な温度で言いますと、いくら熱帯地域の果物だと言っても、27℃を越えた環境にアボカドを置くと今度は高温障害を起こしてしまいます。
ヘタの部分だけが追熟したたり、部分的に柔らかくならなかったりしてしまう状態を「追熟障害」と言います。
アボカドは鰐梨と呼ばれ、一見ワイルドな外見をしていますが、実はとても品質管理が難しい食材なのです。
低温障害だけでなく、追熟障害にも気を付けなければならない繊細な食品であることを覚えておきましょう。
アボカドの賞味期限は?
購入時や、購入した時の鮮度、追熟の状態によって多少の変動があるため、アボカドにははっきりとした消費期限が決まっていません。
どんなに気を配ってアボカドを選んだとしても「切ってみなければ本当の状態はわからない」ものではありますが、一般的な状態の良いアボカドの保存期間をご紹介してみます。
追熟させながら保存する場合
購入した時に、皮がまだ緑色で固いものは追熟が必要になってきます。
14℃~24℃の温度内で、
・皮が茶色くなった時
・ヘタの部分が乾いたようになった時
このような時のアボカドは食べごろです。
夏場に高温になりすぎたり、冬場に低温になりすぎたりすると、せっかくのアボカドを痛ませる結果となりますので、注意をしてください。
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冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合
アボカドは非常に酸化しやすい果物です。
基本的に、アボカド1個は一度で使い切っておきたいのですが、どうしても・・と言う時の保存方法をご紹介します。
冷蔵庫で保存する場合は、乾燥防止のためにラップでぴったりと包み込んでからポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存してください。
この場合でも、2~3日の保存期間が限界だと言われています。
冷凍庫で保存する場合は1~2か月程保存が可能です。皮をむいて種をとってから、酸化防止の為に果肉全体にレモン汁をかけて、ラップでしっかり包んで冷凍保存してください。
はっきりとした賞味期限はなく、保存も可能なアボカドですが、やはり品質管理が難しい食品であることに間違いはありません。
出来るだけ「いつ使うのか」を考慮した上でアボカドを選び、一番おいしい時期に召し上がる事をお勧めします。
このアボカド、腐ってる?食べられないアボカドの見分け方
皮が黒っぽくなったものが食べごろなアボカドですので、パッと見た感じでは腐っているのかいないのかが見分けにくいですよね。
実際に切ってみなければわからない部分が多いので、ここでは切った状態での「食べられるか」「食べられないか」について解説していきますね。
茶色くても食べられる場合
アボカドを切った時に、果肉の一部のみが変色している場合は、その変色している部分を取り除けば食べられます。
ただし、風味は通常のものよりも落ちている可能性がある事を覚えておいてくださいね。
食べられない場合
アボカドを切った時に、アボカドの中全体が茶色や黒っぽく変色していたり、異臭がするものは食べられせん。
また、汁がしみだしているものも食べられませんので、残念ですが捨ててしまいましょう。
いかがでしたか。
一口に「アボカドに黒いなにかが出ている!」と言っても、食べても大丈夫な場合とそうでない場合がある事が分かりました。
「食べる美容液」と言われるアボカドですので、是非「食べごろ」のうちに美味しく召し上がってくださいね。
一緒に以下の記事も読んでおきましょう。