左上や左後ろで頭痛がする!その原因と対処法を解説!【医師執筆】

この記事を執筆した医師のプロフィールは以下より。

記事の執筆をして頂いた医師のプロフィール

頭痛がいつも決まって頭の左上の方や、左後ろの方に起こることはないでしょうか?

夕方になるとひどくなってきたり、吐き気やめまい感も同時に起こることはないでしょうか?

左上や左後ろの頭に何か悪い病気でも起きているんじゃないのかな・・・?

というように多くの方はとても不安に感じると思います。

今回は頭の左上の方や左後ろの方で頭痛が起こった時に考えられる、原因や対処法などについて詳しく解説していきます。

では、早速見ていきましょう。

スポンサーリンク

左上や左後ろで頭痛がする!3つの原因

なぜいつも決まって頭の左上や左後ろばかりに頭痛が起こるのでしょうか?

同じ頭痛と言ってもズキズキと重いような頭痛の方もいれば、ビリビリと電気が走るような頭痛の方もいます。

この左上や左後ろの方に起こる頭痛の原因として、考えられるものは主に3つあります。

この3つの代表的な原因についてそれぞれ紹介します。

 

緊張型頭痛

左上や左後ろの方に起こる頭痛の原因として最も多いものが「緊張型頭痛」になります。

特に左利きの方は、左手を多く使うことがあるので、左側に限局した頭痛を起こすことになります。

緊張型頭痛は直接的な原因としては「肩こり」「首のこり」になりますが、日常生活の中で緊張型頭痛を悪化させてしまうものを挙げてみます。

・立ち仕事、デスクワークなど同じ姿勢での長時間にわたる作業

・目を酷使することによる「つかれ目」

・長時間にわたる手先の細かい作業

これらがきっかけになり、特に左肩や左の首の筋肉が緊張して硬くなると、左上や左後ろの頭にズキズキと重くなるような緊張型頭痛を起こすことになります。

これに加えて精神的なストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れて首や肩の筋肉が緊張します。このため筋肉の血行が悪くなり、疲労物質である「乳酸」が蓄積し、緊張型頭痛を悪化させると言われています。

※「緊張型頭痛」に関しては以下の記事で詳しく解説しています

緊張型頭痛の原因は何?対処法などについても解説!【医師執筆】

 

片頭痛

「片頭痛」といえば、通常こめかみのところを中心にズキズキとした激しい頭痛を起こすという特徴があります。

しかし、中には後頭部から頭痛が始まり、頭全体やこめかみの方へ広がっていくタイプのものもあります。

片頭痛の原因には次のものがあります。

・ストレスや過度な飲酒

・天候や気温の変化

・女性の生理

これらの原因があるようなら、後頭部からこめかみへ広がっていくような頭痛は「片頭痛」で間違いなさそうです。

※「片頭痛」に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

片頭痛の原因はストレス?症状などについても詳しく解説!【医師執筆】

 

左後頭神経痛

頭の皮膚の中には、皮膚の感覚を伝えるはたらきを持つ「後頭神経」と呼ばれる神経が走っています。

特に左側の後頭神経に負担がかかったり、ヘルペスウイルスなどが感染すると、左後ろから左上に向かってビリビリとした電気が走るような痛みを起こす特徴があります。

スポンサーリンク

 

左上や左後ろで頭痛がする!5つの対処法

頭の左上や左後ろの方で頭痛が続くような場合はどうすればよいのでしょうか?

様子を見ていたら自然に頭痛が治る場合もありますが、頭痛が続くと本当につらい思いをします。

ここでは頭の左上や左後ろで頭痛が続く場合の対処法5つについて紹介します。また合わせて予防法についても紹介します。

 

マッサージ・ストレッチをする

左上や左後ろで頭痛を起こす原因の中で、最も多いのが「緊張型頭痛」になります。

この緊張型頭痛は、肩こりや首のこりが直接的な原因となるので、肩周りや首の後ろの筋肉をほぐして緊張を和らげる目的で、マッサージやストレッチなどをすることをオススメします。

また長時間のデスクワークや細かい手先を使う作業はひどい肩こりの原因となるため、緊張型頭痛を引き起こす要因になります。

仕事が長丁場になるようであれば、意識して休憩をとりストレッチやマッサージなどをした方がよいでしょう。約30分を目安とし、できればデスクから一度離れて簡単な体操などをすることをお勧めします。

 

首・肩を温める

緊張型頭痛では、肩や首の筋肉に疲労物質である「乳酸」が蓄積することで増悪するといわれています。

したがって対処方法としては「温める」ことが症状改善に効果的となります。

方法としては電子レンジで温めたホットタオルを首周りや肩に乗せてみたり、ゆっくりと時間をかけて入浴してみるなど、血行改善に努めてみて下さい。

また市販されているものになりますが、以下に紹介する温熱パッドは首肩にフィットし、より効果的に首や肩を温めることができるので、非常にオススメです。


 

後頭部を冷やす

左上や左後ろの頭痛が「片頭痛」の前段階の症状であれば、温めるのではなく逆に「冷やす」ことが症状の改善につながります。

片頭痛の原因は、頭の血管が広がることによって血管の周囲にある「三叉神経(さんさしんけい)」が刺激されて、頭痛発作を起こすと考えれられています。

したがって、片頭痛の場合は頭を冷やして血管の広がりを抑えてあげることが、頭痛症状の改善効果があります。

緊張型頭痛の場合とは反対になるので注意が必要になります。

 

ツボをおす

左上や左後ろの頭痛が緊張型頭痛によるものであれば、この頭痛症状を改善する効果がある「ツボ」があります。

以下に紹介します。

・天柱(てんちゅう):首の後ろの筋肉の外側で、髪の毛の生え際にあるツボ

・風池(ふうち):天柱のさらに指一本外側のくぼみにあるツボ

・あ門(あもん):左右の天柱ツボの真ん中にあるくぼみにあるツボ

これらのツボをグーっと頭のてっぺんの方向に向けておしてみてください。肩こりや首のこりを解消することができれば緊張型頭痛の改善にもつながります。ぜひ試してみてください。

 

薬を飲む・湿布を貼る

どうしても頭痛症状がよくならなければ、薬や湿布による治療をしてみましょう。

市販されている飲み薬を試してみてください。もしそれでも改善しなければ、病院を受診した上で、緊張型頭痛や片頭痛のための専用の薬を内服してみましょう。

また緊張型頭痛は肩こりや首のこりが原因となるため、湿布はオススメですが、ただ冷やすだけでなく炎症を抑える効果のある、次の湿布が特にオススメです。

 

危険!左上や左後ろの放っておけない頭痛4つ

左上や左後ろの頭痛の中には放っておくと生命に関わるような危険な頭痛が起こっている場合もあります。

その際には頭痛以外にも次に挙げるような症状が起こります。

・右手足の痺れ、力が入りにくくなる

・言葉がしゃべりにくくなる

・右側の空間がわからなくなる

これらの症状があれば危険なサインになります。この放っておけない危険な頭痛を4つ紹介します。

 

脳内出血

脳の左上や左後ろの部分に「脳内出血」を起こすと、出血した部分を中心にひどい頭痛が起こります。

出血が大きい場合は、右手足が動かしにくくなったり、会話ができなくなります。

この脳内出血の一番の原因が「高血圧」になります。

普段から血圧が高い方や、血管が弱くなってくる高齢者の方は要注意です。

普段からの血圧測定による健康管理をお勧めします。

 

脳腫瘍

左の頭頂部や後頭部に「脳腫瘍」ができて、それが徐々に大きくなって周りの脳を圧迫し始めると頭痛症状が起こります。

脳腫瘍が原因の頭痛の特徴は「朝起きた時の頭痛」です。

夜眠っている間は生理的に脳が腫れてくるので、朝起きた時に頭痛が一番ひどくなるためです。

このような特徴のある左上や左後ろの頭痛が続くような時は、早めに病院を受診しましょう。

 

脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)

高血圧などが原因で、頭の中の血管の壁が突然裂けて、脳出血を起こしたり、逆に血管が詰まって脳梗塞を起こす病気が「脳動脈解離」です。

脳動脈解離の頭痛の特徴としては「突然の頭痛」になります。

左上や左後ろの頭痛が突然起こった場合は可能性が高くなります。

脳動脈解離が原因の出血は「再出血」を起こしてさらに症状がひどくなる場合があります。

突然の頭痛を起こした場合は、すぐに病院を受診した方がよいでしょう。

 

頚椎症(けいついしょう)

首の骨の変形によって、脊髄の神経が圧迫される病気が「頚椎症」です。

この頚椎症では主に手や足の痺れ症状や運動機能障害を起こしますが、同時に首の後ろから後頭部にかけての頭痛を起こすことがあります。

緊急性のある病気ではありませんが、きちんと治療をしなければ軽いケガをするだけで手足が動かなくなってしまう「頚髄損傷(けいずい損傷)」を起こす危険性があります。

高齢者になるほど骨の変形が強くなってくるのでご注意ください。

 

【医師からのアドバイス】左上や左後ろで起こる頭痛のまとめ

左上や左後ろの頭痛の原因としては「緊張型頭痛」や「片頭痛」が特に多いです。

左の肩こりや首のこりがひどい場合に起きやすいため、マッサージやストレッチをする必要があります。

また突然、左上や左後ろの頭に激しい頭痛が起こったり、頭痛が毎日続いてだんだんとひどくなってくるような場合は、脳の危険な病気が隠れている可能性もあります。

我慢を続けるのではなく、おかしいな?と感じたら必ず病院を受診するようにしましょう!

この記事を執筆した医師のプロフィールは以下より。

記事の執筆をして頂いていた医師のプロフィール

スポンサーリンク

 

サブコンテンツ

このページの先頭へ